児童手当を全額貯めると「200万円」ほどに!これで学費は賄えるの?
配信日: 2025.04.19

児童手当の使い道が決められないときは、すでに子育てが終了している方の意見や実際にかかる学費の目安なども参考にして判断するとよいでしょう。
今回は、児童手当の概要や使い道、高校卒業までに必要な学費などについてご紹介します。

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児童手当制度とは
児童手当は、0~18歳に達する日以降の最初の3月31日まで(高校生年代まで)の子どもを育てている方に対して給付されます。子どもが生まれたときに、所属する自治体に「認定請求書」を提出し認定されると、原則として申請した月の翌月分から支給されます。
子どもが生まれて数ヶ月たってから請求書を提出しても、その数ヶ月分の児童手当は受け取れません。できるだけ多く受け取りたい場合は、子どもが生まれてすぐに申請するようにしましょう。
児童手当の金額は、子どもが3歳未満までが1人あたり月1万5000円、3歳~高校生年代までは1人あたり月1万円です。ただし、子どもが3人以上いる場合は、3人目以降は1人あたりすべて月3万円になります。また、支給月は偶数月ごとで、前月分までの2ヶ月分が支給されます。
もし子どもが1人目で、3月1日生まれだとすると、0~2歳11ヶ月までの間に「1万5000円×35ヶ月」で52万5000円を受け取れます。また、3歳0ヶ月から18歳0ヶ月(3月31日の属する月と誕生月が同じため)の間で「1万円×180ヶ月」の180万円を受け取れる計算です。3歳未満までの金額と合計すると、児童手当は232万5000円になります。
子どもの生まれた月や何人目かによって児童手当の総額は変わりますが、おおよその目安は200万円程度と考えるとよいでしょう。
子どもの学費はいくらくらいになる?
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校卒業までの平均学費はすべて私立か公立かで表1のように変動します。
表1
私立 | 公立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 103万8087円 | 53万2177円 |
小学校 | 1097万4394円 | 201万7378円 |
中学校 | 467万1589円 | 162万6213円 |
全日制高校 | 307万7235円 | 178万7328円 |
合計額 | 1976万1305円 | 596万3096円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
すべて私立に行った場合は2000万円ほど、公立では600万円ほどの学費が必要です。児童手当を除いて、収入や貯金からこの金額を賄えるのであれば、児童手当分は大学進学費用に回した方がよいかもしれません。
ある調査の「もし子どもが中学生~高校生の頃に児童手当があったらどの項目にお金をかけるべきか」という質問に対して「大学進学のための費用」「学習塾や予備校」などの回答が見られました。
一方、家計の状況から考えて高校までの学費が不足する可能性がある場合は、子どもの高校までの費用として児童手当を使用した方がよいケースもあります。家計状況と子どもの進路希望も考慮して、児童手当の使い道を決めることが大切です。
児童手当だけで賄うことは難しいため貯金が必要
児童手当は、子どもが18歳になるまで受け取れる給付金で、全額貯めた場合、合計で200万円ほどになります。使い道は高校までの学費に回したり大学進学費用にしたりするなど、家庭によりさまざまです。
ただし、児童手当だけですべての学費を賄うことは難しいと考えられます。
もし児童手当の使い方で悩んだときは、子どもの高校までの学費を児童手当なしで賄えるか計算してみましょう。貯金や収入面で賄えるようであれば、子どもの大学進学費用に回した方がよい可能性もあります。
子どもの進路や家計状況も鑑みて決めましょう。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 4 幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額 表9 幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー