授業料が無償化されても「年50万円以上」が必要!? 高校でかかる「授業料以外の費用」は何がある?
配信日: 2025.04.19
本記事では、高校生活にかかるお金や教育費の準備方法を解説します。

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高校でかかる授業料以外のお金とは?
高校の授業料無償化が進んでいますが、これはあくまで授業料に限られた支援です。高校生活では、教科書代や制服代、部活動費、修学旅行費、通学費など、授業料以外にも多くの費用が発生します。
高校でかかる費用は学校教育費と学校外活動費に分けられます。それぞれどのような費用で、どのくらいお金がかかるのか見ていきましょう。
学校教育費
学校教育費は、授業料や入学金、教科書代、通学費、修学旅行費などを含む費用を指します。文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立高校の場合は年間で35万1452円、私立の場合は76万6490円かかるようです。それぞれの内訳は、表1の通りです。
表1
区分 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
入学金等 | 1万8062円 | 7万9056円 |
授業料 | 4万5194円 | 23万3102円 |
修学旅行費等 | 3万6452円 | 5万9293円 |
学校納付金等 | 3万5635円 | 11万2256円 |
図書・学用品・実習材料費等 | 6万2292円 | 7万4565円 |
教科外活動費 | 4万9371円 | 5万6800円 |
通学関係費 | 9万7738円 | 14万2670円 |
その他 | 6708円 | 8748円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
授業料以外だけで見てみると、公立は30万6258円、私立では53万3388円かかることが分かります。このように、授業料以外にもまとまった出費があるため、家庭の教育費負担がかかるのが実情です。
学校外活動費
高校生活でかかるお金は、学校の中だけにとどまりません。大学進学を目指して塾や家庭教師を利用したり、音楽やスポーツなどの習い事や地域活動に参加したりする費用も発生します。こうした費用は、学校外活動費と呼ばれます。
同調査によると、学校外活動費にかかる費用は以下の通りでした。
●公立高校:24万6300円
●私立高校:26万3793円
学校外活動費と授業料以外の学校教育費と合わせると、公立は55万2558円、私立は79万7181円かかることが分かります。これは年間の金額のため3年間で計算すると、公立は165万7674円、私立は239万1543円かかるようです。
高校の教育費を準備する方法
高校の教育費を無理なく準備するためには、早めの積み立てと計画的な貯蓄習慣がポイントです。
まずおすすめしたいのは、児童手当を生活費に使わず、教育資金として積み立てることです。第1子として0歳から高校入学までの児童手当を積み立てた場合、198万円以上は貯められます。198万あれば、公立にかかるお金がカバーでき、私立の教育費が239万円だったとしても41万ほどに負担を減らせるでしょう。
ただし、すべて教育資金として積み立てたら生活ができなくなる場合は、無理をする必要はないでしょう。住宅購入や兄弟(姉妹)の進学、家庭の収支バランスも考慮して、無理のない計画を立てましょう。
また、一般財形貯蓄(給与から天引きする形で積み立てる貯蓄)や、普通預金からの自動振替による積立定期預金が便利です。教育費専用の口座を作って管理すると、使いすぎ防止にも役立ちます。学資保険を活用するなら、払った保険料より多く戻ってくる貯蓄型のタイプを選ぶと安心です。
無償化の安心感に油断せず、将来必要になるお金をしっかり見据え、「いつまでにいくら必要か」を逆算しながら、できるだけ早い時期から教育費の準備を始めましょう。
高校では授業料のほかに入学金や教科書代、塾代などがかかる
高校の授業料が無償化されたことで、家計への負担が軽くなったと感じるご家庭もあるかもしれません。しかし、実際の高校生活では、授業料以外にも教科書代や通学費、部活動費、塾代などさまざまな費用がかかり、年間で50万円以上になることも珍しくないようです。
公立、私立にかかわらず、家庭が負担する教育費は想像以上に大きいため、授業料無償化を教育費がかからないと思わず、早めに資金計画を立てることが大切です。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2調査結果の概要(11、12ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー