リース中の自動車の修理費が「15万円」で出費が痛いです。車検や税金などコミコミで契約したけれど、通常のカーローンの方が安かったのでしょうか?

配信日: 2025.04.18

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リース中の自動車の修理費が「15万円」で出費が痛いです。車検や税金などコミコミで契約したけれど、通常のカーローンの方が安かったのでしょうか?
車を入手する手段はさまざまありますが、最近ではリースで新車に乗るユーザーも少なくありません。カーリースは通常のカーローンとは異なるもので、厳密には車を「購入」するというより「賃貸」するイメージです。
 
リースにはメリットもデメリットもありますが、新車を通常のカーローンで購入する方がいいかどうかは状況により異なります。
 
本記事ではカーリースの概要を解説したうえで、カーローンと比較した維持費について取り上げます。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそもカーリースとは?

カーリースとは、車を購入せずに長期間借りて使用するサービスです。その特徴は「残価設定」という仕組みにあります。残価とは「契約満了時に見込まれる車の価値」のことです。この残価を差し引いた金額を、月々支払います。
 
例えば車両価格300万円の車を5年間リースし、5年後の予想価値(残価)を100万円としましょう。この場合、支払対象は200万円となり、60回(5年間)で分割して月々支払います。
 

カーリースとカーローンは別物

月々の出費がある点ではカーリースとカーローンは共通していますが、両者には表1のような違いがあります。
 
表1

カーリース カーローン
所有権 リース会社 ユーザー
残価設定 あり なし
※残価設定クレジットの場合はあり
車検代や税金 月々の支払いに含まれる
(メンテナンスリースの場合)
月々の支払いに含まれない

※筆者作成
 
簡潔にいえば、カーリースは車の長期賃貸契約、カーローンは車の分割購入契約というイメージでしょう。
 

カーリースの種類

カーリースには以下のような種類があります。

●メンテナンスリース:車検や定期点検・修理交換などを含むか選択可能なリース
●ファイナンスリース:車検やメンテナンスなどは含まれていないリース

リース会社によってサービス内容は異なるため一概にはいえませんが、メンテナンスリースが自動車管理サービスも含むサービス的性格の強いリースなのに対し、ファイナンスリースは車の貸し出しのみをおもに重視したリースといえるかもしれません。
 

カーリースとカーローンの維持費を比較

カーリースと通常のカーローンだとどちらがお得か気になるかもしれません。そこで156万円の軽自動車を以下の条件で購入した場合の両者の価格を比較してみましょう。

●カーリースの種類:メンテナンスローン(メンテナンス費を含む)
●カーローンの種類:残価設定なしの通常カーローン(年率6.8%)
●契約年数:5年(60回払い)

内容を簡潔にするために、燃料代や駐車場代、任意保険料などカーリースとカーローンに共通するものは割愛しています。
 

カーローンの概算コスト

カーローンで最初の5年間にかかる概算費用を表2にまとめました。
 
表2

費目 支払額の概算(最初の5年間)
車両本体価格 156万7500円
ローン手数料 30万1255円
税金や自賠責など諸費用(概算) 11万6520円
2回目の車検料金(概算) 4万4000円
メンテナンス費(概算)
オイル交換・タイヤ代など
10万円
(「オイル交換の費用5000円/半年」「タイヤ交換費用5万円/5年間」として計算)

※筆者作成
 
概算ですが、表2の費用合計は212万9275円です。このほかにも消耗品の購入費用や事故・故障の修理費用などが加わるかもしれません。
 

カーリースの概算コスト

スズキファイナンス株式会社の提供する「個⼈向け60ヵ⽉リース とくのりプラン」での支払いシミュレーションを見ると、均等払いでは月々2万9590円の支払いが必要です。
 
こちらのプランには、リース期間中の各種税金や自賠責保険料などが含まれているほか、2回目の車検やオイル交換、法定点検なども含まれています。
 
この点を踏まえて5年間の支払額を表3にまとめました。なおタイヤ交換費用はリース料金に含まれていないものとして計算しています。
 
表3

費目 維持費(最初の5年間)
リース料金 177万5400円
タイヤ交換費用 5万円
「タイヤ交換費用5万円/5年間」として計算

※筆者作成
 
合計金額は182万5400円となり、前述のカーローンの推定総額より約30万円安いです。ただし既定のメンテナンスに含まれていない点検や整備内容については有償になるため、実際には合計金額がより高くなる可能性があります。
 
カーリースの方がカーローンよりもシミュレーション上は安いですが、カーリースは契約満了時に車がそのまま自分のものになるわけではなく、返却や乗り換えが必要です。買取できる場合もありますが、別途費用がかかるでしょう。
 
一方、カーローンは自分の車になります。そのため、カーローンの方が金銭的メリットを感じるかもしれません。仮に5年目に50万円で売却できるとすれば、実質的な支払総額は少なくなります。
 

カーリースとカーローンの違いを踏まえて契約しよう

カーリースとカーローンのどちらがコスト面で優れているかは、契約内容によって変わる可能性があります。本記事のシミュレーションでは、5年間の支払総額においてはカーリースの方が安いですが、所有権も踏まえると、カーローンが実質的に安いともいえます。
 
ただしカーローンの適用年率や契約満了時の車両価値、実際のメンテナンス費用などによっては大きな差が出ないかもしれません。
 
基本的なメンテナンスなども込みで契約したいか、契約満了後にも乗り続けたいかなどを総合的に考慮して契約するようにしましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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