タバコを吸っている友人は退去費用を「20万円」請求されたと言っていました。賃貸の退去費用の相場はいくらなのでしょうか？

配信日: 2025.04.17

この記事は約 4 分で読めます。

タバコを吸っている友人は退去費用を「20万円」請求されたと言っていました。賃貸の退去費用の相場はいくらなのでしょうか？

賃貸物件から退去する際に、予想以上の退去費用を請求されることがあります。特に喫煙者であれば壁紙や床にヤニ汚れや臭いが染みつくため、高額なクリーニング費用や修繕費を請求されるケースが多いです。

本記事では、喫煙者の退去費用の相場を紹介し、原状回復のルールや敷金の扱いについて解説していきます。

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 ▼

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

1 退去費用の基本と相場
2 タバコによる追加費用はどのくらいかかる？
3 原状回復のルールと負担割合
4 敷金の返還ルール
5 不要な出費を避けるため日頃から部屋をきれいに保とう

退去費用の基本と相場

賃貸物件を退去する際にかかる費用のことを「退去費用」と呼びます。賃貸物件の入居者は、退去時には入居時の状態に戻さなければなりません。原状回復やハウスクリーニングにかかる費用が退去費用です。

間取り別の退去費用の目安

一般的な退去費用の相場は、間取りによって図表1のように変わります。

図表1

間取り	退去費用の目安
ワンルーム、1K	約2～3万円
1DK、1LDK	約3～5万円
2DK、2LDK	約5～8万円
3DK、3LDK	約7～11万円
4DK、4LDK以上	約9万円以上

株式会社NTTデータ・ウィズ「ホームフォーユーの不動産売却塾　退却費用の相場とは？貸主・借主の負担や高額請求されやすいポイントを解説」をもとに筆者作成

退去費用は間取りだけでなく、居住年数によっても異なるので注意してください。

タバコによる追加費用はどのくらいかかる？

喫煙者の退去時には、以下のような追加費用がかかることが多いです。

壁紙の張り替え

壁紙には喫煙によるヤニや臭いが染み込みやすく、通常のクリーニングで落ちなければ全面張り替えが必要になることも珍しくありません。壁紙の張り替えにかかる費用の目安（1平方メートルあたり）は以下のとおりです。

スタンダードな壁紙：約1000円
ハイグレードな壁紙：約1000〜1500円

通常であれば、部屋の4面と天井の計5面の張り替えが必要です。25平方メートル分の壁紙を張り替えた場合には、約2万5000〜3万7500円の費用がかかります。

床のクリーニング・張り替え

タバコの臭いや汚れは、床にも影響があります。カーペットには臭いが染みつきやすいため、全面張り替えが必要になることもあるでしょう。張り替えにかかる費用は床材によって異なりますが、費用の目安（1平方メートルあたり）は以下のとおりです。

クッションフロア：約1000〜4500円
木製フローリング：約5000〜2万5000円

床材の交換が必要になると、5万円以上の費用が請求されることも珍しくありません。

原状回復のルールと負担割合

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復に関する負担の基準が定められています。

経年劣化・通常使用による損耗：オーナーが負担
故意・過失による損耗：入居者が負担

テレビや冷蔵庫の後部壁面に生じた黒ずみ（電気ヤケ）、クロスの日焼け、家具を設置したことによる床のへこみなどは、通常使用の範囲内の損耗（オーナーが負担）にあたります。

一方、食べこぼしのシミや結露を放置したことで生じたカビ、落書きなどの損傷は入居者負担です。喫煙によって生じたヤニや臭いも、入居者が原状回復費用を負担しなければなりません。