小5の子どもが「私立中学に行きたい」と言っています。中学受験の費用は平均でどのくらいかかるのでしょうか?

配信日: 2025.04.17

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小5の子どもが「私立中学に行きたい」と言っています。中学受験の費用は平均でどのくらいかかるのでしょうか?
「私立中学に行きたい」と小学校5年生のお子さんから聞かされると、親としては応援したい気持ちとともに「どれくらいお金がかかるのだろう?」と心配になるでしょう。中学受験は学力だけでなく、家計への準備も重要なポイントです。
 
そこで本記事では、中学受験にかかる平均的な費用について解説します。受験準備から入学後まで、どのような出費があるのかを事前に知っておくことで、安心してお子さまをサポートできるようになるでしょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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中学受験にかかる主な費用

中学受験には、大きく分けて「受験準備のための費用」「受験にかかる費用」「合格後の入学に関する費用」の3段階の支出があります。それぞれの平均額を見ていきましょう。
 

受験準備のための費用(塾・教材費など)

中学受験を目指す多くの家庭では、小学4年生または5年生から塾に通い始めます。中学受験対応の進学塾は通常、週3~4回の授業に加えて、夏期・冬期・春期の季節講習や模擬試験も実施します。
 
株式会社モデル百貨(本社:長崎県佐世保市)が行った「中学受験の費用に関するアンケート調査」(調査期間:2024年1月24日~2月1日、調査対象:現在中学生の子を持ち、子が中学受験を経験した保護者500人)によると、中学受験にかかる塾代総額の平均は178万4000円で、通塾期間の平均は2.5年間となっています。
 
また、中学受験に向けて塾に通った期間として最も多かったのは3年間で、全体の約4割にあたる38.2%を占めています。さらに、3年間通塾した場合の平均的な塾費用は224万2147円となっており、家計への負担は決して小さくないといえるでしょう。
 
特に受験直前の小学6年生の夏以降は、講習や模試が集中し、出費が増える傾向があります。計画的な資金準備が重要です。例えば、夏期講習費用だけでも15~20万円程度かかる場合が多く、冬期講習や直前対策講座も追加されるため、さらに出費が増加する傾向にあります。
 

受験にかかる費用(受験料や交通費など)

受験料は学校によって異なりますが、私立中学校では1校あたりおおよそ2〜3万円が一般的です。ただし、難関校や人気校では3万円以上になる場合もあります。受験生の多くが2~3校を併願するため、受験料の合計は6~9万円程度かかることが一般的です。
 
また、遠方の学校を受験する場合には、交通費や宿泊費も発生する可能性があります。例えば、新幹線や飛行機を利用した場合やホテルに宿泊する場合には数万円以上かかるでしょう。さらに、保護者が付き添う場合はさらに費用が増加するため、事前にしっかりと予算を立てることが重要です。
 

合格後の入学に関する費用(入学金・初年度の学費など)

晴れて私立中学に合格すると、次は入学金と学費の支払いが待っています。東京都の調査によると、2025年度、都内私立中学校における初年度納付金の平均額は約103万3387円でした。具体的な内訳は、以下の通りです。


入学金:26万5296円
授業料:51万4983円
施設費:3万2670円
その他:22万438円

上記は、東京都内の私立中学校の平均であり、地域によって金額は異なります。また、難関校や人気校などではさらに高額になる場合があります。
 
なお、上記に加えて、制服代や教科書・教材の購入費、修学旅行の積立金なども必要です。年間の学費も継続的に発生しますので、一般的には3年間で150~350万円程度の支出を見込んでおく必要があるといわれていますが、難関校や人気校などでは350万円以上かかる場合もあります。
 

総額ではいくら? 気になる中学受験から卒業までの費用

ここまでの内容をまとめると、中学受験から私立中学卒業までにかかる費用は、以下のようになります。


受験準備費用(塾・教材など):178万4000円
受験料:9万円
入学金:26万5296円
授業料:51万4983円×3年=154万4949円
施設費:3万2670円×3年=9万8010円
その他:22万438円×3年=66万1314円
◎中学3年間の学費合計:444万3569円

この試算から、中学受験から卒業まで450万円前後の金額が必要ということになります。ただし、難関校や人気校、設備が充実している学校ではさらに高額になる場合があります。
 
特に年間授業料が60万円を超える学校や施設費が高い学校では、総額500万円以上かかるケースも珍しくありません。地域差や学校ごとの特性を考慮したうえで予算を組むことが重要です。
 

費用を抑えるためにできること

中学受験の費用について、「こんなにかかるの?」と驚いた方も多いかもしれません。ただし、すべてを満額で支払うわけではなく、工夫次第で費用を抑えることも可能です。例えば、以下のような方法があります。


・志望校を絞って受験校数を減らす(受験料削減)
・必要最低限のコースだけ受講できる塾を選ぶ
・奨学金制度や特待生制度を利用する
・中高一貫校で高校受験の塾費用を省く

最近では授業料補助制度が充実しており、東京都では私立中学校に通う家庭に対して年額10万円の授業料補助が所得制限なしで適用されています。
 
また、ICT(情報通信技術)活用型教育を行う学校では、教材費や設備費が抑えられる場合もあります。志望校選びでは教育内容だけではなく、補助金や特待制度など経済的負担軽減策も考慮することが大切です。
 

中学受験は教育と家計の両面から計画を

お子さんが「私立中学に行きたい」と言ってくれるのは、自分の将来について前向きに考えている証拠です。その夢をかなえるためにも、保護者としては学費や関連費用を現実的に把握し、計画的に準備することが必要です。
 
中学受験から卒業までの費用は地域や学校によって異なりますが、平均して450万円ほどかかる可能性があります。ただし、各家庭の状況や工夫次第で調整は十分可能です。
 
早めに学校説明会への参加や学費一覧表の確認などの情報収集を行い、計画的に準備を進めることで、お子さまの進路選択を安心して支えることができます。将来への投資と捉え、無理のない範囲で前向きに検討していきましょう。
 

出典

株式会社モデル百貨 中学受験の費用に関するアンケート調査(PR TIMES)
東京都 都庁総合ホームページ 令和7年度 東京都内私立中学校の学費の状況について
東京都 都庁総合ホームページ 所得制限なく私立中学校等の授業料支援(10万円)が受けられます 9月2日からオンラインで申請受付を開始
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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