運転中に「横断歩道」で待っている歩行者に気づきませんでした。違反になった場合、違反金はどのくらいですか?
配信日: 2025.04.12


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目次
横断歩道における歩行者優先の原則
道路交通法第三十八条では、横断歩道は歩行者優先と明確に定められています。運転者は横断歩道に接近する際、横断しようとする歩行者がいるかどうかを確認しなければなりません。歩行者がいるにもかかわらず進行した場合は、「横断歩行者等妨害等」という違反に該当します。
信号機のない横断歩道や、信号機のある横断歩道で歩行者用信号が青であれば、歩行者が優先です。たとえ車の進行方向の信号が青であっても、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいれば、車は停止して歩行者を優先させなければなりません。
この原則は、運転免許を取得する際に学びますが、実際の運転では忘れがちになることもあります。歩行者の安全を守るためには、この原則を常に意識することが重要です。
「気づかなかった」は言い訳になるのか?
運転中に歩行者に気づかなかったとしても、違反を免れる理由にはなりません。運転者は常に周囲の状況に注意を払い、歩行者や自転車などの存在を早期に発見する義務があります。特に横断歩道付近では、歩行者がいつ横断を開始するか分からないため、注意が必要です。
夜間や悪天候時などの視界が悪い状況であれば、通常よりも速度を落として、注意深く周囲を確認しなければなりません。また、スマートフォンの操作や考えごとなど、運転以外のことに気を取られていると、歩行者を見落とす可能性が高まります。運転中は常に運転に集中し、周囲の状況に気を配ってください。
違反した場合の罰則と反則金
「横断歩行者等妨害等」の違反に該当した場合には、厳しい罰則が科せられます。具体的には、道路交通法違反となり、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、違反点数として2点加算され、反則金は普通車が9000円、大型車が1万2000円、二輪車は7000円、原付車は6000円です。
これらの罰則は歩行者の安全を確保するためのものであり、決して軽いものではありません。罰金や反則金だけでなく、違反点数が累積して6点に達すると、免許停止処分や違反者講習の対象となります。ただし、横断歩行者等妨害等単体の加算点数は2点であり、免許停止には至りません。
事故を防ぐための運転者の注意点
横断歩道での事故を防ぐための注意点として、横断歩道に接近する際には速度を落とし、歩行者がいないかを確認します。特に見通しの悪い場所や夜間は注意が必要です。また、横断歩道の手前で一時停止している車がいる場合は、その車の陰から歩行者が出てくる可能性を考慮し、追い越しはしないでください。
さらに、運転中はスマートフォンを操作したり考えごとをしたりせず、運転に集中することが大切です。周囲の状況に常に気を配り、歩行者や自転車などの動きを予測しながら運転することが事故防止につながります。
歩行者が横断歩道を渡り終えるまで、しっかりと安全確認を行うことも重要です。「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」を心掛け、常に最悪の事態を想定して運転することが、歩行者と自分自身の安全を守ることにつながるでしょう。
歩行者とのコミュニケーションも大切
運転者は、歩行者とアイコンタクトを取るなどして、コミュニケーションを図ることは、交通安全の観点から有効です。歩行者が横断する意思があるのか、それとも待っているだけなのか、運転者と歩行者がお互いに確認することで、スムーズに通行できるでしょう。
特に、アイコンタクトは、お互いの意図を確認するうえで有効な手段です。例えば、歩行者が手を挙げたり、ドライバーに顔を向けたりして合図を送るなどのジェスチャーを使うことも、コミュニケーションを円滑にするうえで役立ちます。
横断歩道は歩行者優先です
横断歩道は歩行者優先であり、運転者は歩行者の安全を最優先に考えなければなりません。歩行者に気づかなければ運転者の注意義務違反にあたり、違反が成立すれば罰則が科せられます。
事故を起こしてから後悔するのではなく、日頃から安全運転を心掛け、横断歩道での歩行者優先を徹底することが重要です。交通ルールを守り、思いやりのある運転をして、交通事故のない安全な社会を実現しましょう。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十八条
警視庁 交通違反の点数一覧表
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警察庁 横断歩道は歩行者優先です
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー