来月「車検」なのに、友人の結婚式のご祝儀が重なり金欠……。「車検切れ」になってから「検査に出す」のはNG？

車を車検に出すには、まとまったお金が必要になります。
 
しかし、直前に結婚式などの出費を伴うイベントが重なると、車検代を捻出できなくなることもあるでしょう。そのような場合、車検が切れた後に車を検査に出すことはできないのか、気になる方もいるかもしれません。
 
そこで本記事では、車検が切れた後に検査に出すことは違反になるのかを解説します。

車検費用の相場

車検費用の相場を、以下の表1にまとめました。
 
表1

車検方法	費用相場
ディーラー車検	6万円～12万円
車検専門店	5万円～8万円
ガソリンスタンド車検	4万円～9万円
ユーザー車検	2万6340円（軽自動車の法定費用）～

※筆者作成
 
車検費用の内訳は、次の3つに分類されるようです。

●基本料金：車検を依頼する店舗に支払う料金のこと
●法定費用：自賠責保険・自動車重量税・検査手数料などのこと
●整備費用：部品の修理・交換にかかる費用のこと

基本料金と整備費用は、依頼する店舗によって異なると考えられます。一方、法定費用は車種などによって異なり、どの車検方法でも同額とされているようです。
 

車検が切れただけは違法ではない！ ただし公道を走るとアウト

車検が切れた車を保有することが直ちに違法となるわけではないようです。しかし、車検が切れた車を公道で走らせると法令違反となり、表2の罰則が科される可能性があります。
 
表2

違反内容	違反点数	罰則
無車検運行 （道路運送車両法第58条違反）	6点	6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金 （道路運送車両法第108条）
無保険運行 （自動車損害賠償保障法第5条違反）	6点	1年以下の懲役または50万円以下の罰金 （自動車損害賠償保障法第86条の3の1号）
無車検運行・無保険運行の併合罪	6点	1年6ヶ月以下の懲役または80万円以下の罰金

※筆者作成
 
無車検で摘発された際、自賠責保険の契約期間が残っている場合は、無車検運行のみでの摘発される可能性がありますが、自賠責保険も満了して無保険運行となった場合、罰則は2つの罪の併合罪として重くなるようです。
 

車検費用が工面できない場合の対処法

車検費用が準備できない場合、分割払いや後払いを利用する方法が考えられます。ディーラーや整備工場によっては、クレジットカード払いやローンを使えることがあるようです。また、信販会社や銀行のマイカーローンを活用することで、負担を分散できる可能性もあるでしょう。
 
ただし、法定費用分については、ローンに組み込めない場合もあるようです。そのため、ローンで対応する場合でも、法定費用分は現金を用意しておくとよいでしょう。
 

車検が切れた後に検査を通す場合の正しい対処法

車検が切れた場合でも、状況に応じて適切な手続きをすることで車検を受けることができるようです。
 
しかし、車検が切れた車は公道を走れません。そのため、車検を依頼する際は業者と相談し、仮ナンバー（自動車臨時運行許可番号標）を市区町村役場で取得して自走するか、積載車で運んでもらう必要があると考えられます。
 
なお、仮ナンバーを取得するには、有効な自賠責保険への加入が必須とされているようです。そのため、車検切れで自賠責保険も切れている場合は、先に自賠責保険の契約が必要になります。
 

車検が切れた後に検査に出すのはNGではない！ 適切な方法で車検場に移動させればOK

車検が切れても公道を走らなければ違法にはならないようです。しかし、車検が切れた状態で公道を走ると、法令違反となり罰則が科される可能性があるため注意が必要です。
 
もし車検費用が足りない場合は、分割払いや、安い車検の利用を検討しましょう。万が一車検が切れてしまった場合は、購入店や専門店に相談するとよいでしょう。
 

出典

警視庁　交通違反の点数一覧表
e-Gov 法令検索　道路運送車両法（昭和二十六年法律第百八十五号）
e-Gov 法令検索　自動車損害賠償保障法（昭和三十年法律第九十七号）
e-Gov 法令検索　刑法（明治四十年法律第四十五号）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー