信号のない横断歩道で、車が「歩行者」のために一時停止! 申し訳ないので「お先にどうぞ」と合図したら、友人に「かえって迷惑だよ」と指摘されました。歩行者がいいと言っても“違反”になるのでしょうか?
配信日: 2025.04.04

本記事では、歩行者から譲られた場合に車が通行すると違反になるのかどうか、歩行者が「お先にどうぞ」と譲りたい場合はどうすれば良いのかを解説します。

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歩行者が譲った場合の対応は条文で定められていない
歩行者から譲られて車が通行した場合でも、違反となる可能性があります。
実際にSNSでは、歩行者から「お先にどうぞ」と譲られたから通行したのに違反だと言われてしまった、という投稿が見受けられます。
しかし、過去には歩行者に譲られたために通行し違反となった車両が、ドライブレコーダーの映像を確認して違反撤回となったケースもあるのです。これでは、歩行者に譲られて通行した車が違反となるのかどうか、分かりにくいですよね。
歩行者が車に向かって手を差し出すなどの行為だけでは、「お先にどうぞ」なのか、「先に渡ります」なのか、意志が分かりにくいことも原因の1つであると考えられます。
道路交通法には、車両は歩行者がいる横断歩道では横断歩道の直前で一時停止し、その通行を妨げないようにしなければならないと定められています。条文には、通行を妨げないようにするという表現のみで、歩行者が譲った場合、車はどうすれば良いかについての記載がありません。
そのため、同じ「お先にどうぞ」と歩行者に譲られて車が通行したケースでも、違反になったりならなかったりすることがあるのが現状なのです。
一時停止してもらった歩行者は横断しよう
信号のない横断歩道では、歩行者優先と定められています。そのため、横断歩道で車が一時停止した場合、歩行者は速やかに道を横断すべきです。
しかし、歩行者優先のルールを知らずに車に譲ってしまう歩行者もいるでしょう。子どもがいる場合など歩行者が焦らずにゆっくり横断したいといった理由から、「お先にどうぞ」と合図を送る人もいるようです。
しかし、いくら歩行者が譲っても違反となってしまうことがあるので、歩行者に「お先にどうぞ」をされると困ってしまうドライバーもいます。歩行者は後からゆっくり横断したい意思があるのに、違反になってしまうためドライバーは先に歩行者に横断してほしい、難しい問題ですね。
渡らないときは横断しませんとの意思表示を
車は横断する歩行者の通行を妨げてはいけません。そのため、横断歩道の近くに歩行者がいる場合、車は一時停止をする必要があります。
歩行者は、子どもがいるなどの理由で後からゆっくり横断したい場合は、進行方向と反対方向を向く、一度横断歩道から離れるなど横断しない意思をドライバーや周囲に表示すると分かりやすいのでおすすめです。
渡らないのに横断歩道付近で歩行者が立ち止まっているとドライバーが混乱してしまうこともあります。お互いスムーズに通行できるように、紛らわしい行動は避けましょう。
歩行者が良くても違反になることがある
信号のない横断歩道は歩行者優先がルールです。歩行者が「お先にどうぞ」と譲った場合でも車を運転している人が違反となってしまうことがあるため、歩行者は横断歩道で車が一時停止したら速やかに渡りましょう。
さまざまな理由からゆっくり横断したいと考えている場合は、横断歩道から一度離れるなど渡らない意思をドライバーや周囲に表示すると分かりやすいのでおすすめです。
出典
警察庁 横断歩道は歩行者優先です
e-Gov法令検索 道路交通法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー