更新日: 2019.06.28 その他

医師は嫌がる?「セカンドオピニオン」の相場と使い方

医師は嫌がる?「セカンドオピニオン」の相場と使い方
がんなどの重い病気にかかったときは、複数の治療法が存在することが珍しくありません。
 
そのような場合において、最初に診断を受けた医師だけでなく、他の医師にも意見を聞いてみることを「セカンドオピニオン」と言います。今回は、このセカンドオピニオンについて知っておくべき知識や、相場を解説します。
 
横山琢哉

執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター

保険を得意ジャンルとするFP・フリーライター。
代理店時代、医療保険不要論に悩まされた結果、1本も保険を売らずに1年で辞めた経験を持つ。
FPとして、中立公正な立場から保険選びをサポートしています。

セカンドオピニオンとは

がんを初めとして、治療法が複数あるような重い病気にかかったときは、他の医師の意見を聞いてみたいと考えることもあるでしょう。
 
そうしたとき、最初に診断を受けた医師(担当医)とは違う医師に意見を聞いてみるのがセカンドオピニオンです。なお、セカンドオピニオンは担当医に黙ってこっそり聞きに行くものではありません。
 
セカンドオピニオンを利用したいときは担当医にその意思を伝え、紹介状(診療情報提供書)や、すでに行われた検査の結果などを準備してもらい、それを持参して聞きに行くのが正しい手順です。こうした手順を踏まず、新規の患者として他の医療機関を受診して意見を聞くことは単なる「ドクターショッピング」です。この点は正しく理解しておいてください。
 

セカンドオピニオンを利用した人の多くが満足している

健康相談や医師紹介業を営むティーペック株式会社が、がん患者と元がん患者372人を対象に行った調査によると、セカンドオピニオンを利用した経験のある人の割合は32.8%という結果が出ています(2018年3月実施)。約3人に1人の割合です。
 
この調査において「セカンドオピニオンを利用した」と回答した人は、その理由として「今の治療がベストか確認するため」と「他に良い治療法はないか確認するため」のいずれかを選んだ人が大半です。
 
そして、セカンドオピニオンを利用したことで、治療に関する不安や迷いを解消できた、担当医の治療法に納得できたという趣旨のコメントが数多く寄せられています。実際に利用した人がこのように答えているということは、1つの参考になるでしょう。
 

セカンドオピニオンは言い出しにくい?

前述したアンケートによると、「主治医にセカンドオピニオンの利用を伝える際、抵抗感はありましたか」という質問に対して、「とてもあった」が5.7%、「ややあった」が32.8%と、多少なりとも抵抗感があったという人が約4割という結果が出ています。
 
では逆に、セカンドオピニオンの話を切り出される側の医師はどう思っているのでしょうか。
 
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、会員医師を対象に、セカンドオピニオンに関するアンケートを行っています(※こちらはがん以外の病気が対象です。2015年実施)。
 
「他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい」と言われた際にどう感じるかという問いに対し、実際に言われたことがある医師のうち87.4%が「不快に感じない」と回答しています。
 
また、不快に感じないだけでなく、「医師の側から勧めることもある」「他の医師の意見を知りたい」という意見を寄せている医師もいるということです。こうしたデータを知っておくと、セカンドオピニオンの利用をスムーズに切り出せるのではないでしょうか。
 

セカンドオピニオンの相場は?

セカンドオピニオン外来を受診して他の医師の意見を聞く場合、費用は全額、自己負担になります。そのため、一般的な相場はどのくらいなのか気になりますよね。
 
そこで、ホームページにセカンドオピニオンの料金に関する記載のある50カ所の医療機関について調査してみました。
 
セカンドオピニオンに要する時間はおおむね最低30分からで、以降は30分延長するごとに追加料金がかかるとしている医療機関が多いです。今回の調査では60分の相談を希望した場合の料金(税抜き)を調べています。
 
その結果は以下のとおりです(※以下の金額区分に当てはまらない一部の医療機関は最も近い金額として集計しています。例:12000円→10000円)。
 

 
この調査結果によると最も安いところが1万円、最も高いところが4万円で、2万円が最多であることがわかります。

セカンドオピニオンを利用した結果、担当医の意見と同じだったら高いと感じてしまうかもしれませんが、安心料と考えれば決して高くはないでしょう。セカンドオピニオンの利用を申し出たとき、今でも不快感を示す医師がいないとは限りません。
 
しかし、自分を守るのは自分自身です。他の医師の意見を聞きたいと思ったら、ためらわずにセカンドオピニオンを利用するべきでしょう。
 
出典
T-PEC プレスリリース
メドピア株式会社 ニュースリリース
 
執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者),フリーランスライター
 

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