更新日: 2024.09.16 その他
「一戸建て」を購入したいのですが東京23区は高すぎて…やっぱり郊外の方がかなり安いのでしょうか?
しかし、郊外に目を向けると、住宅価格が大幅に抑えられることも珍しくありません。本記事では、都市部と郊外の住宅価格の価格差について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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都市部と郊外で住宅の価格はどれくらい違う?
一般的に、一戸建ての建築や購入にかかる費用は、「住宅」と「土地」に大別されます。住宅の価格は都市部のほうが若干高いといわれますが、基本的には施工業者の選定が大きく影響します。
しかし、土地の価格はおおむね相場通りで、悪条件の立地でないかぎり価格が安くなることはありません。そのため、都市部と地方における住宅価格の差は、土地代が大半を占めるといえるでしょう。
国土交通省の「令和6年地価公示」によると、各都道府県県庁所在地の住宅地平均価格は、東京23区が1平方メートルあたり70万4600円でした。一方、多くの地方都市では、住宅地平均価格が10万円を下回ります。
仮に25坪(約82平方メートル)の土地を購入するなら、東京23区ではおよそ5700万円、松山市(1平方メートル単価9万4600円)ではおよそ775万円です。
このように、都会と地方都市の住宅地平均価格には7倍近い差があるため、郊外や地方を選べば費用を大幅に抑えられることが分かります。地方都市と田舎を比べれば、さらに価格を抑えられるでしょう。
都市部でも価格が高いのは一部のみ
「令和6年地価公示」における住宅地の平均価格は、あくまで対象の市全体の平均です。そのため、同じ地域内でも比較的安い場所もあります。例えば、東京23区内であれば、足立区や葛飾区は1平方メートル単価が30万円弱です。物件の条件やリサーチの期間に余裕を持たせれば、建築は可能でしょう。
また、地方都市でも郊外まで離れれば、土地の単価が下がります。東京近郊の埼玉県や千葉県なら単価10万円台の土地も多くあり、条件を整えれば4000万円以内で注文住宅を建てられるでしょう。
地方でも条件次第で土地価格は上がる
地方は都市部よりも、土地の価格が安い傾向にあります。ただし、土地の価格は町自体の人気やアクセスのよさにも左右されます。
例えば、子育て支援の充実で人気が高まっている兵庫県明石市では、令和5年から令和6年にかけて住宅地価格が前年よりも3.8%上がりました。このように、地方であっても土地の価格は条件次第で変わります。
都市部と郊外で住宅価格が違う理由
本項では、都市部と郊外で住宅価格が違う理由について解説します。
利便性
都市部の物件が高い理由の一つは、利便性のよさです。主要な交通機関が集まるエリアは、通勤や通学が便利で、土地価格が高くても需要が見込めます。反対に、郊外や地方はアクセスが不便なケースがほとんどで、売るためには価格を抑えなければなりません。
また、都市部はスーパーや病院といった施設が多く、それらも住宅価格に反映されています。利便性の高い立地は需要が高いため、価格が上がる傾向です。
建築規制
都市部は住宅が密集しやすく、火災や倒壊で周囲の住宅が巻き込まれないように厳しい建築規制がかけられています。一定基準以上の耐火性能が求められるため、性能を向上させれば建築費用が上がります。
一方、地方は住宅同士の間隔に余裕を持たせやすく、都市部の住宅密集地よりも規制が緩いといわれています。すべての地域に当てはまるわけではありませんが、住宅に求められる性能を考慮すれば、都市部よりも郊外のほうが住宅価格は安く済むでしょう。
注文住宅なら地方が建てやすい
都市部は土地の需要が高く、地方に比べて空き土地や物件は多くありません。そのため、住宅を建てやすいのは、地方といえるでしょう。
また都市の中心地は、土地が空いていても広い庭や間取りを確保できる場所は少数です。住宅を建てる際は、「土地は狭いが利便性は高い」もしくは「土地は広いが利便性は低い」の選択に迫られることがあります。
十分なお金があれば、利便性が高い土地を購入して大きな住宅を建てられるかもしれませんが、予算が限られているのであれば、優先順位を決めたうえで土地と住宅の購入を検討してもよいでしょう。
出典
国土交通省 土地・不動産・建設業 令和6年地価公示
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー