更新日: 2024.09.15 その他
先日財布をなくしてしまい3時間かけて「徒歩」で家に帰りました…何かよい方法はなかったのでしょうか?
ただし、警察からお金を貸してもらう際にはいくつかの条件を満たしていなければならないため、事前に確認が必要です。
本記事では、警察からお金を借りられる条件を始め、貸してもらえるお金の限度額や借りる際の注意点を詳しくご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
警察からお金を借りられる条件とは?
今回の事例のように「財布をなくして家に帰るための交通費がない」というときは、「公衆接遇弁償費制度」を利用することが可能な場合があります。
昭和43年に警視庁が公表した「公衆接遇弁償費事務取扱要綱の制定について」によると、警察署や運転免許試験場、交番、駐在所、警察署の警ら用無線自動車などにおいて、やむを得ない事情がある一般市民に対して弁償費を支出できるとしています。
ただし、あくまでも緊急時の対応であり、以下のような場合に利用できる制度となっているようです。
・外出先で財布(所持金)をなくした、または盗まれたため交通費がない
・行方不明者などを保護するための応急的な措置に必要
・病人を保護した際や交通事故などの負傷者を救護するための一時的応急措置に必要
「買い物の費用が足りない」「生活費に困っている」などの理由では制度を利用できないので、注意が必要です。また、徒歩で帰れる距離に自宅がある場合は断られるかもしれませんが、今回の事例のように「3時間かけて徒歩で帰った」というような事態では制度を利用できる可能性はあるでしょう。
警察が貸してくれるお金はいくらまで?
警察が貸してくれるお金の限度額は、1000円までと考えておきましょう。自宅までの交通費とすると十分足りる可能性があります。
ただし、自宅が遠方の場合や、夜間で公共交通機関を利用できない場合などは1000円では足りないこともあるでしょう。また、行方不明者の保護や病人の救護などに1000円以上の費用が必要になることもあるかもしれません。
前述の警視庁の資料によると、その場合は、事務担当者に取り次ぎ承認を受けることで1000円以上借りることも可能なケースがあるようです。
警察からお金を借りる際の注意点
警察から借りたお金は、必ず返済しなければなりません。「公衆接遇弁償費事務取扱要綱の制定について」によれば、本来であれば貸し出しを受けた警察署などへ返済することが原則となっていますが、住んでいる場所が遠方である場合など、特別な理由がある場合は、警視庁管内の最寄りの警察署などに返済することも可能とされています。
また、公衆接遇弁償費制度はすべての都道府県で導入されている制度ではない点にも注意が必要です。気になる方は、自身の住んでいる都道府県で公衆接遇弁償費の取り扱いがあるかどうか確認しておきましょう。
条件に当てはまっていれば警察から交通費を借りられる可能性がある
「財布をなくした」などの理由で家に帰ることができないといったやむを得ない事情があるときは、警察からお金を貸してもらえる制度を利用できる可能性があります。借りられる金額は1000円を限度としている場合が多いようですが、事情によってはそれ以上の金額を借りられることもあるため、相談してみるとよいでしょう。
ただし、借りたお金は返済する必要があります。遠方に住んでいて実際に貸し出しを受けた警察署などに返済することが難しい場合は、最寄りの警察署に返済することも可能とされています。
また、すべての都道府県で公衆接遇弁償費の取り扱いがあるわけではないため、注意しましょう。
出典
警視庁 公衆接遇弁償費事務取扱要綱の制定について 2 弁償費支出の範囲(2ページ)、8 取扱上の留意事項(3~4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー