更新日: 2024.10.07 その他
アルバイトを始めるのですが、給料振込をネット銀行にしようとしたら、親から「大手のほうがいい」と言われました。どちらでも変わらないですよね?
今回は、「給料振込をネット銀行にするか」「親御さんが勧める大手銀行(以下「一般的な銀行」と表記)にするのか」「給料の受取銀行はどちらがよいのか」「それぞれどのような特徴があるのか」「どのような観点で銀行を選べばよいのか」について考えてみましょう。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
ネット銀行とはどんな銀行なの?
ネット銀行とは、どのような銀行のことをいうのでしょうか。まずは、ネット銀行について知ることから始めてみましょう。
ネット銀行とは、その名からイメージできるように、インターネットや電話などの通信端末を利用して取引を行う普通銀行のことをいいます。普通銀行なので、取扱商品は一般的な銀行と同じように、普通預金、定期預金、カードローン、住宅ローン等があります。
ただし、取扱商品は銀行によって異なり、口座を開設するまでに一定時間を要することもあります。多くのネット銀行では、操作等に関するサポートサービスを提供しており、チャットやメールや電話による問い合わせが可能になっています。
ただし、取引は24時間可能であることがほとんどなのですが、問い合わせ可能な時間帯は限られています。
ネット銀行のメリット・デメリットを知る
続いて、ネット銀行にはどのようなメリット・デメリットがあるのかを考えてみましょう。下記に、ネット銀行の主なメリット・デメリットをまとめてみましたので、参考にしてください。
・自宅にいながら取引できる
・通帳の発行はなく、取引内容をいつでもウェブ上で確認できる
・24時間自分の好きなタイミングで取引可能
・一般的な銀行に比べて預金金利が高い傾向にある
・取引手数料が一般的な銀行に比べて安い傾向にある
・自分のペースで取引でき、商品を選ぶことができる
など
・パソコンやスマホの操作が不慣れだと取引しにくい
・通帳の発行がなく、取引履歴などをさかのぼることができる期間が限定されているため、取引履歴は自身で保管するなど工夫が必要
・操作に関するサポートセンターはあるが、利用できる時間が限られている
・基本的に自分一人で商品を選ばなければならない
・自分のペースで取引できる反面、自主的に商品を選んだり預け替えたりしなければならない
など
自分にとって、ネット銀行と大手銀行のどちらのほうがよいのか考えてみよう
ネット銀行はどのような銀行なのか……。メリット・デメリットを踏まえると、ネット銀行が決して大手銀行などの一般的な銀行に比べて見劣りするわけではありません。
しかしながら、シニア世代を中心に、通帳が発行されないネット銀行に対して不安を感じる人もいるようです。その他、パソコンやスマホを使って主体性を持って取引しなければならないため、パソコンやスマホに不慣れな場合は取引しにくいと予想されます。
ただし最近では、大手銀行などの一般的な銀行もパソコンやスマホであらゆる取引が操作可能で、紙の通帳を利用するかどうかも選択できるようになっているところが多いので、パソコンやスマホの使用に慣れている人にとっても使い勝手がよくなっています。
とはいえ親世代の場合、銀行の破綻等も経験しているため、ある程度の営業規模を持ち、歴史のある大手銀行のほうが安心であると思うのは仕方ないでしょう。
しかし、実際に取引をするのは自分自身です。ネット銀行のメリット・デメリットやライフスタイルから取引する時間帯にメリットはあるのか、パソコンやスマホの操作は慣れているのか等を考えて、総合的に判断することが大切です。
自分自身、ネット銀行での取引のほうがメリットあるのなら、そのことを親御さんに伝えてみてもいいかもしれません。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト