更新日: 2024.10.05 子育て

同い年なのに「総額11万円」の差!? わが子は3月生まれですが、「早生まれだと児童手当が少ない」と聞きました。どういう仕組みなのでしょうか…?

同い年なのに「総額11万円」の差!? わが子は3月生まれですが、「早生まれだと児童手当が少ない」と聞きました。どういう仕組みなのでしょうか…?
2024年10月より児童手当が拡充され、支給対象となる家庭が増えました。そんななか、「早生まれは児童手当が少ない」という話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。同じ学年なのに、なぜ生まれた月によって手当の総額に差が出るのか疑問に感じるでしょう。
 
本記事では、児童手当の概要や、早生まれの場合は支給額が少なくなる仕組みについて解説します。

児童手当の支給額

児童手当は、子どもを持つ家庭に支給される国の手当です。2024年10月より、児童手当が拡充され、支給対象年齢については高校生卒業相当年齢まで延長されました。これにより、18歳になった最初の3月31日まで児童手当の支給が受けられるようになりました。
 
新制度による支給額は、大きく次の3つに分けられます。
 
(1)3歳未満
3歳を迎える誕生月まで、月額1万5000円が支給されます。ただし第3子以降は月額3万円です。原則として申請した翌月分から支給されます。
 
つまり0歳1ヶ月~3歳0ヶ月の36ヶ月間(3年間)は、月1万5000円がもらえることになります。
 
(2)3歳以上小学校入学前
3歳の誕生日を迎えた月の翌月から小学校入学前までは、月額1万円が支給されます。ただし第3子以降は月額3万円です。
 
何月に生まれるかによって、3歳1ヶ月から小学校入学前までの期間が異なります。例えば4月生まれの子は47ヶ月間(3年11ヶ月間)、3月生まれの子は36ヶ月間(3年間)です。
 
(3)小学生、中学生、高校生
小学校入学から高校を卒業するまで、月額1万円が支給されます。ただし第3子以降は月額3万円です。
 
小学校の6年間、中学校の3年間、高校の3年間、合わせて12年間児童手当を受け取れます。なお、便宜上「高校生」と記載しましたが、正確には「18歳になって最初に迎える3月31日まで」です。必ずしも高校に通学している必要はありません。
 
このように、(1)と(3)については、児童手当を支給される期間が誰でも同じになります。一方で、(2)では支給される期間が人によって異なります。このことにより、生まれ月によって児童手当の総額に差が生じるのです。
 

4月生まれと3月生まれでどれくらい差が出る?

遅生まれと早生まれの子どもでは、「3歳以上小学校入学前」の期間が異なるため、児童手当の総支給額に差がつきます。具体的に、4月生まれと3月生まれの子どもの児童手当の総支給額を見てみましょう。なお、子どもは第1子または第2子と仮定します。
 
4月生まれの子どもの総支給額は、245万円になります。内訳は次のとおりです。
 

(1)3歳未満:1万5000円×36ヶ月=54万円
(2)3歳以上小学校入学前:1万円×47ヶ月=47万円
(3)小学生、中学生、高校生:1万円×12ヶ月×12年=144万円

 
一方で3月生まれの子どもの総支給額は、234万円になります。
 

(1)3歳未満:1万5000円×36ヶ月=54万円
(2)3歳以上小学校入学前:1万円×36ヶ月=36万円
(3)小学生、中学生、高校生:1万円×12ヶ月×12年=144万円

 
つまり、3月生まれは4月生まれに比べて、児童手当の総額が11万円少なくなるのです。
 

早生まれは児童手当の支給総額が少なくなる

児童手当は子育て世帯にとって重要な経済的支援ですが、同学年であっても支給総額が異なることがあります。例えば4月生まれと3月生まれでは、その差が11万円にもなります。この差は、「3歳以上小学校入学前」の期間が生まれ月によって異なることから生じるものです。
 
同じ学年なのにもかかわらず、生まれ月によって受給額に差が出ることに対して疑問や不公平感があるかもしれません。しかし、4月に生まれた子は3月に生まれた子よりも11ヶ月分のお金が多くかかっているとも言えます。
 
この差は制度上やむを得ない面もあるので、「早生まれだから児童手当が少なくなる」と考えるのではなく、今ある制度をしっかり理解することが大切です。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
こども家庭庁 もっと子育て応援! 児童手当
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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