更新日: 2024.10.03 その他
「片耳イヤホン」で自転車を運転しているという友人。「ルール違反」な気がしますし、何より「事故」が心配です…。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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片耳イヤホンでの自転車走行はルール違反?
ここでは、片方だけイヤホンをつけての自転車走行は、国や地域のルールによって禁止されているのかどうかを解説します。
地域によっては条例でイヤホンを禁止している
片耳・両耳にかかわらず、自転車走行中のイヤホン使用は、多くの地域で安全に影響をおよぼす行為として禁止されています。
例えば、東京都道路交通規則 第8条(運転手の遵守事項)において、イヤホンをつけて交通に関する周りの音や声が聞き取りづらい状態で、自転車を運転してはいけないとされています。規則に違反した場合、5万円以下の罰金が科せられる可能性があるため注意しましょう。
また、東京都以外にも愛知県や北海道、福岡県など全国各地の都道府県でもイヤホンをつけたままで運転してはいけないとする条例があります。規定の詳細は地域によって多少異なるものの、多くの場合で同じような罰則が科せられます。
自転車を安全に活用するためには、自分の住む地域での取り決めや罰則を理解しておくことが大切です。また、条例のない地域でも、事故のリスクを高める可能性があるため、避けたほうがよいでしょう。
現時点の道路交通法では禁止されていないが今後施行される予定
2024年5月17日、参議院本会議において「改正道路交通法」が可決・成立し、自転車の交通違反に対して交通反則切符(青切符)を交付することが新たに定められました。交付から2年以内に施行される予定です。
改正後は、傘を差しながらの運転やイヤホンをつけての運転などの行為が青切符の対象になります。また、スマートフォンなどを操作しながらの「ながら運転」も違反対象です。自転車の運転中は、周囲の状況を把握することが求められます。
耳が塞がっている状態で自転車を運転すれば、周囲の音が聞こえにくくなり、重大な交通事故につながるリスクが高まります。そのため、改正道路交通法施行前であっても、イヤホンをつけないよう心がけることが重要です。
イヤホンをして運転事故を起こした事例
実際に、2015年6月上旬に千葉県で起きた痛ましい事故がその一例です。千葉県の19歳の大学生がイヤホンで音楽を聴きながら自転車を運転していた際、横断歩道を渡っていた高齢の女性をはねて死亡させてしまいました。大学生は路面の凹凸に気を取られ、「下を向いて前をよく見ていなかった」ため、赤信号を無視して女性をはねたとされています。
自転車のスピードは時速20~30km程度だったとみられ、衝突時には相当な衝撃があったことが推測されます。事故を起こした大学生には裁判で有罪判決が下されましたが、周囲への注意を怠っていなければ、悲劇は防げた可能性があったといえるでしょう。
片側だけであっても、イヤホンを使用すると周囲の音が聞こえづらくなり、危険察知能力が低下します。結果として、重大な事故につながるリスクが高まるのです。安全な運転のためにも、イヤホンをしたままの運転は避けましょう。
安全のために耳を塞がない方法
耳を塞がずに音楽を聴く方法として、ネックスピーカーや骨伝導式などが挙げられます。耳が塞がれている状態は、周囲の音が聞き取りづらくなり事故を起こすリスクが高まるため注意が必要です。
ネックスピーカーや骨伝導式であれば、耳を塞がないため、周辺の危険をすぐに察知できるでしょう。自転車に乗っていて事故を起こさないためにも、代替案を活用して安全運転を心がけることが大切です。
自転車走行中の片耳イヤホンは違反になる可能性がある
自転車走行中の片耳イヤホンは、各地域の条例により罰則を科せられる可能性があります。また、今後は道路交通法により違反対象として定められる場合もあるでしょう。耳が塞がれた状態での自転車走行は事故のリスクがあります。そのため、自転車で走行するときはイヤホンをつけず、周囲の安全を確認できる状態にしましょう。
出典
東京都 道路交通規則
警察庁 参考資料集
警視庁 交通違反の点数一覧表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー