更新日: 2024.09.19 その他
引っ越しをしたときにNHK受信契約をしないまま15年が経ちました。今後さかのぼって請求されることはありますか?
NHKの受信料は、場合によっては未契約だと通常よりもさらに多くのお金を支払うことになる可能性があるため、注意が必要です。今回は、NHKの受信料がさかのぼって請求されるのか、また契約を忘れているとどうなるのかなどについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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NHKの受信料は昔のものも請求される?
NHKを受信できる受信設備を設置した方のNHK受信契約は、放送法第64条により定められている義務です。基本的に引っ越した時点で契約をし、受信料を支払う必要があります。
ただし、NHKによると受信料には消滅時効があり、時効の申し出をすることで5年を超えているものであれば受信料は時効により支払いが不要になる可能性もあるでしょう。5年経過していない分については全額が請求対象です。
もし15年分支払っていないのであれば、10年分は時効になる可能性がありますが、残り5年分は請求されるでしょう。また、時効の申し出をしていない限り、時効は成立しません。
NHKでは、受信設備があるにもかかわらず契約をしていないと、最終的に民事訴訟に至る可能性もあるとしています。ただし、未契約でいきなり民事訴訟にはなりません。
未契約の家庭へ文書の送付や訪問を通しても契約の意向が見られなかった場合に、最終手段として契約の締結と受信料支払いを求める民事訴訟を実施しているようです。
もし契約を忘れていたらどうなる?
もし契約を忘れていると、割増金制度が適用され本来の受信料よりもさらに増額した金額を支払わなければならない可能性があります。
割増金制度とは、令和5年4月1日から導入された制度で、NHKによると、「不正な手段により受信料の支払を免れた場合」「正当な理由がなく期限までに受信契約の申込みをしなかった場合」に適用されます。
正当な理由なく未契約でいた場合だと、受信設備を設置した月の翌月から実際に契約を締結した月の前月分までの受信料にプラスして、その受信料の2倍に相当する額の支払いが必要です。
例えば、15年前の契約を時効の申し出がないままに割増金制度が適用されると、15年分の受信料に2倍の割増金が上乗せされ、合計45年分の受信料の支払いが発生します。
NHKの放送受信料は地上契約のみの場合、2ヶ月払いで2200円なので、15年分だと19万8000円、割増金も加えると合計59万4000円です。
一度で払うと生活に影響が出かねない金額なので、引っ越した時点で理由がなければできるだけ早く契約を結んだ方がよいでしょう。受信契約の申し込み期限は、受信設備を設置した月の翌々月の末日です。
なお、実際に割増金が適用されるのは、令和5年4月以降の期間分からです。
引っ越すときのNHK契約の注意点
引っ越してNHKと契約を結ぶときは、状況によって手続きが少し変わります。まず、以前からNHKを契約している場合で単純な引っ越しであれば、住所変更の手続きが必要です。
もし就職や進学を機に一人暮らしを始めるといった理由で、世帯から独立して新しい世帯となり、新たに受信設備を設置するときはNHKとの新規契約を行います。
ただし、NHKによると、単身赴任や学生の一人暮らしなど、同一生計で離れて暮らしているケースだと、単身赴任や学生側の受信料が半額になる「家族割引」の対象となる場合があります。該当するか分からないときは、NHKに問い合わせてみましょう。
受信料にも時効はあるが、さかのぼって請求される可能性もある
NHKの受信料にも5年の時効は存在します。ただし、自分から申し出が必要なこと、時効に達していない分の受信料はさかのぼって請求される可能性がある点に注意が必要です。
契約を忘れていると、令和5年から導入された割増金制度の対象になる可能性があります。
割増金制度では正当な理由なく期限までに受信契約の申し込みをしなかった場合に受信料の2倍に相当する額を加えて支払う必要があるため、余分な出費をおさえるためにも引っ越し時点でNHKの放送を受信できる受信設備を設置した場合は、受信契約はしておきましょう。
出典
e-Gov法令検索 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号) 第三章 日本放送協会 第六節 受信料等 第六十四条(受信契約及び受信料)
日本放送協会 よくある質問集 受信料に時効はあるのか
日本放送協会 よくある質問集 「支払督促」「民事訴訟」とはどのようなものか(法的根拠は何か)
日本放送協会 NHK受信料の窓口 受信料の割増金制度について
日本放送協会 NHK受信料の窓口 放送受信料のご案内
日本放送協会 NHK受信料の窓口 放送受信料 家族割引のお手続き
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー