更新日: 2024.09.19 子育て

国立大学の「学費値上げ」が話題になっていますが、国公立大学が最安なのでしょうか? 2年間で修了する「短大」や「専門学校」のほうが断然安いと思うのですが。

国立大学の「学費値上げ」が話題になっていますが、国公立大学が最安なのでしょうか? 2年間で修了する「短大」や「専門学校」のほうが断然安いと思うのですが。
進学先を決める際に、初年度の教育費がどのくらいかかるのかを重視する人は多いのではないでしょうか。4年制ではなく、2年間で修了する短期大学や専門学校へ進学したほうが、初年度の費用はかからないと認識する人もいることでしょう。
 
しかし、実際にどのくらいの費用がかかるのかは、進学先が国公立や私立なのかによって異なるため、一概には言い切れません。
 
本記事では、初年度にかかる費用(入学費・授業料・施設設備費)を入学先別に説明します。また、教育費が足りない場合の対策もまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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大学にかかる費用は進学先によって異なる

日本政策金融公庫は、初年度の教育費(入学費・授業料・施設設備費)を図表1のように入学先別で伝えています。
 
【図表1】

入学費 授業料 施設設備費
国立大学 28万2000円 53万6000円
公立大学 39万1000円 53万6000円
国立短期大学 22万3000円 37万7000円
私立短期大学 23万8000円 72万3000円 16万7000円
私立大学(文系) 22万6000円 81万5000円 14万8000円
私立大学(理系) 25万1000円 113万6000円 17万9000円
私立大学(医歯系) 107万6000円 288万3000円 93万1000円
私立大学(その他) 25万5000円 96万9000円 23万6000円
専門学校 18万3000円 69万5000円 20万3000円

※日本政策金融公庫「教育資金はいくら必要? かかる目安額をご紹介」より筆者作成
 
初年度の教育費を見ると公立短大が最も安く、次に国公立4年制、専門学校、私立短大の順で続きます。ただしトータル費用でいえば、大学は授業料を4年間支払うことを考えたら、在学の年数が少ない分だけ短大や専門学校のほうが教育費は安いと認識してよいでしょう。

 

学費が足りない場合の対策

大学進学の際に、入学金や授業料、施設設備費などの支払いが困難なときの対策は、以下のとおりです。
 

・国の教育ローン
・奨学金
・高等教育の修学支援新制度

 
以下で、対処法別に解説します。

 

国の教育ローン

日本政策金融公庫の国の教育ローンで大学進学にかかるお金を借りるのも対策の一つです。契約者は貸付対象の大学に入学・在学する学生の保護者(主に生計を維持されている人)と定められていますが、最高350万円(条件付きで最高450万円)まで借りられます。
 
申し込んでから融資開始までにかかる日数の目安は20日なので、時間に余裕を持って手続きを行う必要があります。
 
金利は年2.4%(令和6年5月時点、固定・保証料別)と低く設定されており、交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内、子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内であれば、さらに0.4%低い金利が適用されます。

 

奨学金

奨学金とは、経済的な理由で進学や修学が困難な学生に対して、資金の貸付を行う制度です。独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)をはじめ、自治体や学校独自の奨学金制度を利用できる場合があります。返済不要か必要なのか、貸与額や貸与基準などはそれぞれ異なるため、事前に内容を確認・比較しておくとよいでしょう。

 

高等教育の修学支援新制度

世帯収入や資産が一定の要件を満たしている、かつ進学先で学ぶ意欲のある学生ならば、高等教育の修学支援新制度を利用できます。
 
支援対象は、4年制大学や短期大学、専門学校などに通う学生です。自宅通学か自宅外通学のどちらなのか、進学先は国公立か私立化によって35〜91万円(高等専門学校の場合は21~52万円)の給付型奨学金が支給されます。

 

学費がどのくらいかかるのか理解して適切な進学先を選ぼう

4年制大学や短期大学、専門学校に進学する際に入学金と授業料が必ずかかります。さらに私立大学や専門学校の場合は、それらに加えて施設設備費も支払うのが一般的です。学費がかからないのは在学年数が少なく、かつ施設設備費が発生しない国立短期大学でした。
 
しかし、学費だけで進学先を決めるのではなく、何を学びたいのかを重視したほうが子どもの将来につながります。どうしても学費の用意が難しい場合は、国の教育ローンや奨学金を借りるなどの方法も検討しましょう。

 

出典

日本政策金融公庫 教育資金はいくら必要?かかる目安額をご紹介
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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