車を「2台持ち」しているご近所さんが多いです。普通車1台と軽自動車1台で「維持費」はどのくらいかかるのでしょうか？

自動車を複数所有している世帯は少なくないでしょう。世帯人数が2人以上いる場合、それぞれが仕事で車を使わなければならない場合があります。あるいは仕事で使う人と、買い物などで使用する人がいる世帯でも、複数台所有する必要があるでしょう。
 
車を複数持つと、維持費は高くなります。そのため、車を複数台持ちたいものの、維持費がネックになって実現できない人もいます。
 
本記事では、車を2台持ちした場合の維持費について解説します。

車を2台所有する場合の維持費

車を2台持った場合の維持費は、普段の使い方はもちろん、車の年式や車種によって異なります。ここでは普通車1台と軽自動車1台を所有した場合を想定して、維持費をシミュレーションします。
 
なお維持費とひと口にいっても、法定費用（税金など法律で定められた費用）から、駐車場代など各世帯によって異なる費用までさまざまです。そのため一部の費用は概算でご紹介します。なお、ガソリン代は車種や使用状況で差が大きいため除外しています。
 
また自動車取得時に課税される「環境性能割」については、車両費用同様、維持費とは性質が少し異なるため含んでいません。
 

普通車1台の維持費

普通車は以下の条件でシミュレーションします。

●自家用車（令和元年10月1日以後に初回新規登録）
●排気量：1.5リットル
●重量：1100キログラム
●車検：2回目以降の車検が対象（2年ごと）
●エコカー減税は考慮なし
●駐車場代は自宅の駐車スペースを使うため無料

このケースでの維持費を表1にまとめました。
 
表1

項目	1年あたりの費用
自動車税種別割 （令和6年度）	3万500円
自動車重量税	1万2300円 （2年ごとに2万4600円）
自賠責保険 （2024年4月以降の本土料金）	8825円 （24ヶ月契約で1万7650円）
車検基本料金 （法定24ヶ月点検や整備費用など）	2万円 （車検ごとに4万円かかる想定で計算）
任意保険料（概算）	7万2000円
メンテナンス費（概算） オイル交換・タイヤ代など	2万円 （「オイル交換の費用5000円／半年」「タイヤ交換費用5万円／5年間」として計算）
合計	16万3625円

出典：東京都主税局「自動車税種別割」、国土交通省「自動車重量税額について【継続車検を受ける場合】」、東京海上日動火災保険株式会社「よくあるご質問（FAQ）」を基に筆者作成
※車検基本料金や任意保険料、メンテナンス費は相場価格を記載しています。
 
維持費は合計で16万3625円です。月に換算すると約1万3635円でした。
 

軽自動車1台の維持費

軽自動車は以下の条件でシミュレーションします。

●自家用車（初度検査年月が平成27年4月以後の車両）
●車検：2回目以降の車検が対象（2年ごと）
●エコカー減税は考慮なし
●駐車場代は自宅の駐車スペースを使うため無料

このケースでの維持費を表2にまとめました。
 
表2

項目	1年あたりの費用
軽自動車税種別割 （令和6年度）	1万800円
自動車重量税	3300円 （2年ごとに6600円）
自賠責保険 （2024年4月以降の本土料金）	8770円 （検査対象車：24ヶ月契約で1万7540円）
車検基本料金 （法定24ヶ月点検や整備費用など）	1万5000円 （車検ごとに3万円かかる想定で計算）
任意保険料（概算）	5万円
メンテナンス費（概算） オイル交換・タイヤ代など	1万8000円 （「オイル交換の費用5000円／半年」「タイヤ交換費用4万円／5年間」として計算）
合計	10万5870円

出典：横浜市「軽自動車税（種別割）について」、軽自動車検査協会「税関係について、よくあるご質問（FAQ）」、東京海上日動火災保険株式会社「よくあるご質問（FAQ）」を基に筆者作成
 
維持費は合計で10万5870円です。月に換算すると約8823円でした。
 
普通車1台と軽自動車1台を2台持ちする場合、年間の合計維持費は26万9495円（月あたり約2万2458円）となります。
 

維持費以外の注意点

2台持ちする場合の費用をシミュレーションしましたが、これはあくまでガソリン代や車両価格を省いての計算です。仮にローンで車両を購入したのであれば、毎月のローン支払いが維持費の一部として入ってくるかもしれません。
 
また駐車場代は地域差があるほか、任意保険料は等級が低いと保険料が高くなるおそれがあります。
 
2台持ちする場合は、これらの費用を自身のケースに照らし合わせて具体的に計算することが大切です。
 

2台持ちの維持費は年間30万円近くかかる場合がある

普通車1台と軽自動車1台を2台持ちする場合、年間の維持費は30万円近くに達する場合があります。
 
必ず支払わなければならない法定費用だけを計算するともっと安くなりますが、多くの人は任意保険料やメンテナンス費に一定金額を支払うと考えられるため、25万～30万円ほどは見ておくといいかもしれません。
 

出典

東京都主税局 自動車税種別割
国土交通省 自動車重量税額について【継続車検を受ける場合】（6ページ）
東京海上日動火災保険株式会社 よくあるご質問（FAQ） 【自賠責保険】自賠責保険に加入したいのですが、保険料を教えてください。
横浜市 軽自動車税（種別割）について
軽自動車検査協会 税関係について、よくあるご質問（FAQ）Q. 7-004　車検の際に支払う重量税の金額を教えてください。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー