更新日: 2024.09.08 キャッシュレス
最近飲食店に行くと「PayPay」のみ対応でクレジットカードは不可という店をよく見かけます。なぜクレジットカードは使えないのでしょうか?
本記事では、飲食店がクレジットカード決済ではなく、PayPayを導入する理由について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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飲食店でPayPayは使えてもクレジットカードが使えないケースがある理由
飲食店がクレジットカード決済ではなくPayPayを導入する傾向にあるのは、決済手数料の違い、初期導入コストの差、そして入金サイクルの速さといった要因が影響していると考えられます。詳しく見ていきましょう。
決済手数料の違い
飲食店にとって、キャッシュレス決済を導入した際の手数料は重要な要素です。クレジットカード決済の手数料は通常3%程度に設定されています。クレジットカード決済をした件数が多いほど店舗の利益を圧迫することがあります。
一方でPayPayは、特定の条件を満たすことで決済手数料を1.60%もしくは1.98%におさえることが可能です。この差は、特に利益率の低い飲食業界にとって大きな意味を持ちます。
例えば、1000円の売り上げに対してクレジットカード決済では約30円程度の手数料が発生しますが、PayPayなら20円弱で済む場合があります。この数十円の違いが、月間や年間で積み重なると大きなコスト削減につながるのです。特に、日々の細かい売り上げが積み重なる飲食業において、こうした手数料の違いは経営に直結する重要な要素といえます。
初期導入コストの差
キャッシュレス決済を導入する際の初期コストが低いことも、飲食店がPayPayを選ぶ傾向にある要因のひとつです。クレジットカード決済を導入するには、専用の決済端末の購入やリースが必要で、初期費用がかかることがあります。さらに、ランニングコストとして月額の通信費やロール紙の費用も発生することがあるようです。
これに対して、PayPayは導入に必要なコストがほとんどかからないというメリットがあります。QRコードを設置するか、スマートフォンやタブレットがあれば、アプリをインストールするだけで利用が可能で、初期費用はゼロに近いといえるでしょう。このため、特に個人経営の小規模な飲食店では、PayPayの導入がしやすいという側面があります。
入金サイクルの速さの違い
飲食店がPayPayを選ぶ傾向にあるもうひとつの理由は、入金サイクルの速さです。クレジットカード決済では、入金サイクルがクレジットカード会社や決済代行会社によって、週ごとや月ごとなどと決まっています。
売上日から入金までに一定期間かかってしまう場合、店舗によっては経営を圧迫する可能性も考えられます。特に、毎日の売り上げがそのまま次の日の仕入れや人件費に充てられるような飲食店にとって、入金が遅れることは大きなリスクといえます。
これに対し、PayPayは「早期振込サービス」の利用により、最短で売上金が翌営業日には入金されることもあるため、すぐに売上金が必要な場合にも対応可能です。ただし、早期振込サービスを利用する場合は別途利用料や振込手数料が発生するため、注意が必要です。
飲食店がPayPayを導入する理由は決済手数料・初期費用・入金サイクルの速さ
飲食店がキャッシュレス決済を導入する際に、クレジットカード決済ではなくPayPayを導入するのには、決済手数料の違い、初期導入コストの差、そして入金サイクルの速さといった要因が関連していると考えられます。
特に、個人経営の小規模な飲食店では、決済手数料や初期費用の安さがPayPayを選択する大きな理由になっている可能性があるでしょう。
出典
PayPay株式会社 実店舗への導入 費用と振込サイクル
PayPay株式会社 実店舗への導入 ご利用準備
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー