更新日: 2024.09.01 その他
新幹線の「窓際席」の乗客が30分に1回は席を立ちます。指定席ですが、「通路側」の私と席を替わってもらうのはアリでしょうか…?
そこで今回は、新幹線の席をやむを得ない事情で変更したい場合、直接交渉・指定席の移動をしても問題ないのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
目次
「座席指定券の効力」により指定席の交換は認められていない
東日本旅客鉄道株式会社が定める「旅客営業規則 第182条の4」によると、座席指定券を購入した場合、「座席指定券の効力」が発生します。
「座席指定券の効力」は、「その券面に指定された列車、旅客車若しくは座席に限って乗車することができる」というものです。そのため、指定席は乗車後、原則座席の変更ができないと考えられるでしょう。
また、直接交渉すること自体がトラブルになる可能性がありますし、仮に座席を交換できたとしてもその後にトラブルが発生する可能性もあります。今回のように乗客間で交渉して席を交換した場合は、本来認められていない行為であるため、交換後に何かトラブルが発生してもJR側で対応が難しい可能性があるでしょう。
理由があっても指定席から自由席の変更はできない
東日本旅客鉄道株式会社「きっぷあれこれ」によると、指定席から自由席の変更も認められていないようです。
「座席指定券の効力」にも反しているため、隣の乗客と席の交換が難しいからという理由でも自由席に移動する行為は控えた方がいいでしょう。
指定席から自由席に変更するには乗車前に一度取り消しをして、再度切符を発行する必要があります。
そのため、乗車後に指定席から自由席に移ることは余程のことがない限り難しいでしょう。
座席変更による罰則はあるのか?
鉄道営業法第29条によると、「一 有効ノ乗車券ナクシテ乗車シタルトキ」や「二 乗車券ニ指示シタルモノヨリ優等ノ車ニ乗リタルトキ」には「五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス」と記されています。
そのため、万が一勝手に席を移動して、鉄道営業法に反すると判断された場合は、処罰が科せられる可能性があるため注意が必要です。
なお、罰金は「五十円以下」と記載がありますが、罰金等臨時措置法により罰金の引き上げがある可能性もあるため、注意が必要です。
座席の変更は車掌に相談する方法がおすすめ
以上のことから、理由があって座席の変更をしたい場合は、車掌に相談しましょう。新幹線の指定席を無断で変更する行為は、旅客営業規則や鉄道営業法の観点から考えると、たとえ同意があっても罰則が科せられるリスクを伴います。
また、車掌に相談することで、隣の乗客と席を入れ替わる以外の選択肢が出てくる可能性があります。乗客同士のトラブル防止にもつながるため、指定席で気になることがある際は自分で解決しようとせずに車掌に相談するといいでしょう。
基本的には座席の交換は認められていない|事情がある場合は車掌に相談しよう
指定席には「座席指定券の効力」があるため、原則として座席の交換が認められていないようです。そのため、一度予約した席を乗客間で交渉して変更してもらうことは難しいといえます。
もし、隣の乗客が頻繁に席を立つことで何か不利益が発生している場合は、車掌に相談することをおすすめします。車掌に相談することで、何か別の対処法を提示してくれる場合もあるかもしれません。いずれにしても、直接交渉で席を交換すると、最悪の場合トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
出典
東日本旅客鉄道株式会社
旅客営業規則 第182条の4
きっぷあれこれ きっぷの変更
デジタル庁e-Gov法令検索 鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第二十九条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー