更新日: 2019.01.10 その他

高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は平成31年3月31日まで!

高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は平成31年3月31日まで!
肺炎球菌は、主に気道の分秘物に含まれる細菌です。飛沫感染し、気管支炎や肺炎、敗血症などの合併症を引き起こすことがあります。
 
厚生労働省の平成29年人口動態統計では、肺炎は日本の死亡原因の第5位ですが、80歳以上男性では3位、65歳~79歳男性は4位と、高齢者では順位が上になります。平成26年10月から開始された肺炎球菌ワクチンの定期接種は、平成31年3月31年で終了します。
 
林智慮

Text:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

肺炎球菌ワクチンの定期接種は各市町村が実施

平成26年10月1日から、高齢者対象の肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。平成27年度から平成30年度まで、毎年以下の方が対象でした。
 
(1)その年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方
(2)60歳~65歳未満で、心臓、肝臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害や、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能である程度の障害がある方(厚生労働省HPより)
 
平成31年度からは65歳の人のみ対象になります。
 
定期接種の実施主体は市町村です。その為、市町村によっては対象が広い場合もあります。例えば、岐阜市は(1)に該当する部分が、「年度末までに65歳以上となる人」となっています。年度末で65歳になる人であれば良いので、誕生日前でも接種出来ます。
 
また、(2)に該当する部分に「身体障害者手帳1級に相当する人」が付け加えられており、平成31年度からも定期接種の対象です。自己負担額は市町村ごとに違いますが、岐阜市の場合4,000円です。(生活保護世帯は無料です。)
 
接種が出来る医療機関は、お住まいの市町村のHPで公開されています。接種時には、住所・氏名・年齢が確認出来るもの(健康保険証)を提示します。(2)に該当する場合は、身体障害者手帳を提示します。(岐阜市の場合)
 

住民票のある市以外で接種。助成は受けられる?

専門医に掛かるために県外の病院に入院や、家族の都合で住民票とは違う市の施設に入所することがあります。その場合は助成が受けられるのでしょうか?
 
【広域予防接種事業】
市によって異なりますが、岐阜市の場合、県内であれば「予防接種の広域化」事業に協力している医療機関で接種できます。接種時には岐阜市の発行した予診票が必要になりますが、保健所への申請は要りません。
 
【定期予防接種償還払制度】
協力医療機関以外や県外の場合、全部・または一部を助成される制度があります。
・市外の医療機関で継続的な治療、経過観察を受けている
・市外の老人福祉施設に入所している
が、該当する方となります。
 
この場合は、「岐阜市予防接種実施依頼書交付申請書」と「岐阜市予防接種費用助成金交付申請書」を、予納接種をする前に保健所へ届け出る必要があります。
 
事前の申請が無いと助成を受けられません。書類の発行に2週間ほどかかりますので、早めの申請が必要です。詳しくは地域保健課へお問い合わせ下さい。
 
また、長期療養が必要で定期接種を受けることが出来なかった場合、接種可能となった日から1年以内に定期接種を受けることが出来ます。【長期療養特例】
 

こんな場合は受けられない?

接種の対象となるワクチンは、「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)です。肺炎球菌には93種類の血清型が有り、そのうちの23種類(成人の重傷の肺炎球菌感染症の6割を占めるもの)の血清に効果があります。これは、一生に1回接種します。
 
よって、過去に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある人は接種できません。既に接種されたことがある方が再度接種すると、副反応の頻度が初回よりも高く、程度が強く出ると報告されています。接種歴を必ず確認して下さい。
 
他の肺炎球菌ワクチンに「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」が、平成26年に効能・効果が承認されていますが、定期ワクチンとして助成を受けることは出来ません。
 
しかし、かつてプレベナー13を接種したことがあっても、ニューモバックスNFを定期接種で受けることが出来ます。
 
他に、長期療養が必要で定期接種を受けることが出来なかった場合、接種可能となった日から1年以内に定期接種を受けることが出来ます。【長期療養特例】
 
また、ニューモバックスNFの接種で重い副反応が起きてしまったときは、救済給付の制度があります。詳細はお住まいの市町村にご相談下さい。
 
Text:林 智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
 

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