2019年10月から始まる幼児教育無償化、どんな制度?
配信日: 2018.12.19 更新日: 2019.08.29
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ
保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なオンラインセミナーを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、セミナーや相談は夜も行っている。
無償化の対象
無償化の対象となるのは、幼稚園、保育園、認定こども園などを利用する3歳から5歳までのすべての子どもたちの利用料です。0歳から2歳の子ども達の利用料については、住民税非課税世帯を対象として無償化されます。
対象となる施設は、幼稚園、認可保育園、認定こども園に加え、定員が6〜19人以下の少人数で保育が行われる小規模保育、保育ママなどの家庭的保育、企業が設置する保育施設です。
認可外保育園に通っている子ども達に対しても、3歳から5歳を対象として月額3万7千円までの利用料が無償化されます。3万7千円という金額は、認可保育園の保育料の全国平均額です。
なお、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもが認可外保育園に通園している場合は、月額4万2千円までが無償化されます。
下記が無償化のイメージです。
内閣府 「幼児教育の無償化に関する住民・事業者向け説明資料」より
なお、子どもの年齢の考え方については、幼稚園は満3歳から、保育園は3歳児クラスからが無償化の対象です。
無償化対象はベビーシッター、病児保育も含まれる
上記のイメージ図を見ると、ベビーシッターも無償化対象となっています。内閣府「幼児教育の無償化に関する住民・事業者向け説明資料」によると、ベビーシッター以外にも、病児保育、ファミリーサポート事業までも月額3万7千円までの利用料が無償化の対象とすることが記載されています。
しかし、誰でも無償で利用できるというわけではありません。利用できるのは、「認可外保育施設を利用する子ども達」です。
その上限金額は、認可外保育施設利用料とそれらの施設利用料合計額が月額3万7千円までです。認可外保育施設は、一般的に認可保育園より保育料が高額ですから、認可保育園の平均保育料3万7千円以下であるケースは少ないかと思われます。
病児保育やベビーシッター、ファミリサーポート事業なども無償化対象であるとされていますが、実際無償で利用できるかどうかについては、注意が必要です。
浮いた利用料は子どものために
さて、幼稚園や保育園の利用料が無償になると、その浮いたお金はどうしますか?無償化対象の子どもを持つ親には、月額1万円〜1万5千円の児童手当が支給されています。
浮いた利用料と児童手当を合わせて3万円とすると、毎月3万円が積立できるわけです。利用料が浮く期間は小学校に入学するまでですから、期間限定ではありますが、この機会に積立することを仕組み化する、あるいは習慣化してしまえば、小学校になってからもその仕組みや習慣は続けられます。児童手当が終了する中学校まで積立を続ければ、大きな金額になっているはずです。
人は何かきっかけがないとなかなか行動しません。無償化になるのはまだ先のことですが、今から働き方や浮いた保育料の管理方法について考えてみてはいかがでしょうか。
※2019/02/18 内容を一部修正させていただきました。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者