更新日: 2024.07.23 その他
生活保護を受給中、宝くじで「100万円」当せん! 生活保護で宝くじを買うのは“違法”ですか? お金が入ったら保護費は「支給停止」になるでしょうか…?
本記事では生活保護を受給している世帯が宝くじを購入するのは違法なのか、当せんした場合に生活保護を受給できるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
生活扶助の使い道は自由であり、宝くじの購入そのものは問題なし
生活保護の受給者が宝くじを購入することは法に抵触する行為と考える人もいるかもしれませんが、違法ではありません。
生活保護費は、基本的に住居の家賃の支払いに使う「住宅扶助」、生活費に使うための「生活扶助」を合計したものです。生活保護の受給者が受け取る「生活扶助」には用途の制限がなく、宝くじを購入したからといって生活保護費の支給がストップするわけではありません。
もちろん、生活保護費を宝くじに使い過ぎて生活ができなかったからといって追加で生活保護費が給付されることはなく、計画的な購入は必要です。
宝くじに高額当せんすると金額次第で生活保護が支給停止される可能性がある
問題になるのは、宝くじを購入したうえで高額当せんをした場合です。生活保護では「受給中に収入の増減があった場合には申告する」という受給者の義務があります。
生活保護費は、収入が国の定めた「最低生活費」を下回る場合に差額を受給できます。受給額は収入によって変動するため、臨時収入があった際は申告が必要不可欠ということです。
生活保護における収入には給料や賞与以外に生命保険の給付金や債務整理の過払い金、宝くじの当せん金も当てはまります。宝くじが当せんし現金を受け取ったときは臨時収入にあたり、申告しなければいけません。
当せん金額によっては生活保護費を支給する必要なしと判断されて支給停止になる可能性は大いにあるでしょう。
具体的な判断はケースワーカー(地区担当員)次第ですが、厚生労働省の「生活保護実施要領等」によれば「保護を廃止すべき場合」として次のような記載があります。
「当該世帯における収入の臨時的な増加、最低生活費の臨時的な減少等により、以後おおむね6か月を超えて保護を要しない状態が継続すると認められるとき。」
厚生労働省の最低生活費の算出方法を見ると、1級地-1の土地に住む40歳独身の人の最低生活費は12万9420円です。
100万円の当せんは6ヶ月分の最低生活費を超えることから、ケースワーカーの判断で生活保護の支給が廃止される可能性は大いにあるでしょう。
数万円以内の少額当せんなら生活保護の受給は継続される可能性が高い
宝くじといっても、100万円以上の高額当せんをするケースはごくまれでしょう。一方、数千円~数万円程度の比較的少額であれば、宝くじを購入し続ければ当せんすることもあるでしょう。
数千円~数万円程度であれば最低生活費の6ヶ月分を超えるとは見なされないため、生活保護が打ち切られることはないでしょう。
ただし、生活保護費は最低生活費から収入を差し引いた金額なので、宝くじの分だけ収入が増えるわけではありません。
まとめ
生活保護を受給していても宝くじを購入して問題はありませんが、高額当せんすると保護が適用されなくなる可能性もあります。少額当せんであれば生活保護は継続できますが、翌月の保護費が当せん金の分だけ減額されるのでトータルで受け取る金額は変わらないことに注意が必要です。
出典
練馬区 生活保護のしおり
厚生労働省 2024(令和6)年4月1日施行 生活保護実施要領等
厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー