更新日: 2024.07.18 その他
毎年、実家から「お米」など仕送りが届きます。親に「配送料が高くなった」と聞いたのですが、実際どのくらい値上がりしたのでしょうか?
本記事では、主な配送会社による運賃改定内容の紹介と、遠距離配送をするといくらかかるのかを試算します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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配送料はいくら値上がりした?
主な配送会社では、2023年10月から日本郵便が値上げを行い、2024年4月からヤマト運輸と佐川急便も値上げしました。値上げ対象と金額の一部を見てみましょう。
<日本郵便>
ゆうパックの基本運賃が約10%値上げ、空港ゆうパックは改定後の基本運賃に800円加算などです。例えば関東から近畿への基本運賃は、60サイズで旧運賃970円から新運賃990円へ値上げされました。
<ヤマト運輸>
運賃改定率は約2%。宅急便の値上げ対象は180サイズと200サイズで、例えば、180サイズの関東から中国四国への運賃(現金決済)では旧運賃3870円から新運賃4090円へ値上げです(宅急便は現金とキャッシュレス決済とで運賃がちがいます)。
クール宅急便の付加料金(基本運賃に上乗せされる料金)は100サイズで旧料金330円から新料金440円へ値上げされました。
<佐川急便>
飛脚宅配便では約7%の値上げで、例えば関東から関西への運賃は100サイズで旧運賃1610円から新運賃1630円へ値上げです。飛脚クール便の付加料金改定対象は140サイズ(30kg以内)のみで、旧付加料金1100円から新付加料金1320円へ220円値上げされました。
配送料が値上がりした理由は?
配送料が値上がりした理由として、各社に共通する点は「コストの上昇」です。荷物を運ぶトラック類の燃料費や配送するスタッフの人件費などが上昇したことで、配送料を値上げせざるを得ない状況となっています。
国土交通省の調査によると、通信販売の普及とともに宅配便の荷物取扱量が増加しており令和4年度で約50億個となっています。また、令和6年4月期調査結果では宅配便の個数のうち約10.4%が再配達となっており、配送コスト上昇の一因となっています。
遠距離へ荷物を送ると、いくらかかる?
それでは、一般家庭から遠距離の送り先へ荷物を送ると配送料はいくらかかるのでしょうか。段ボール(100サイズ)に5kgの食べ物を入れた状態として、各地域から東京都へ「ゆうパック」の冷蔵(チルド)便で発送したケースで見積もります。
<例>
(1)北海道から東京都へ発送した場合
基本運賃2020円+冷蔵(チルド)付加料金675円=2695円
(2)京都府から東京都へ発送した場合
基本運賃1620円+冷蔵(チルド)付加料金675円=2295円
(3)香川県から東京都へ発送した場合
基本運賃1780円+冷蔵(チルド)付加料金675円=2455円
(4)熊本県から東京都へ発送した場合
基本運賃2020円+冷蔵(チルド)付加料金675円=2695円
(5)沖縄県から東京都へ発送した場合
基本運賃2160円+冷蔵(チルド)付加料金675円=2835円
ゆうパックは、荷物の縦・横・高さの合計が170センチ、重さ25kgまでが基本運賃です(25kg以上30kgまでは「重量ゆうパック」として別料金が設定されています)。
距離が遠くて海を越える地域の場合だと基本運賃が2000円以上になり、荷物の中身によっては、運賃が中身の値段を上回ってしまう可能性がある結果になりました。
まとめ
2023年から2024年にかけて、主な配送会社で宅配便運賃が値上げされました。値上げの主な原因はコスト上昇で、その一因として荷物取扱量の増加と再配達率の高さがあります。
宅配ボックスやコンビニ受け取り等をなるべく利用して再配達を減らし、事前に運賃がどのくらいかかりそうか確認してから荷物を発送することが望ましいでしょう。
出典
日本郵便株式会社 ゆうパックの新運賃のお知らせ
ヤマト運輸株式会社 2024年4月1日から宅急便の届出運賃・料金を改定
佐川急便株式会社 2024年4月1日付宅配便届出運賃等の改定のお知らせ
国土交通省 宅配便の再配達削減に向けて
日本郵便株式会社 国内の料金・運賃早見表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー