更新日: 2024.07.17 その他
昔から「井戸水」を使用している祖父母宅。飲み水にも使用しているそうなのですが、安全面は大丈夫でしょうか?
そこで今回は井戸水の安全性や使用時の注意点、実際に井戸水を使用すると、どのくらい水道代が節約できるかなどについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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井戸水と水道水の特徴
まずは、井戸水と水道水の違いについて解説します。
水道水
水道水は、河川・池・湖・雨水・地下水など自然のさまざまなものを水源とし、浄水場でろ過や消毒をおこなっています。蛇口をひねると出てくるのが上水道、使用した水が流れていくのが下水道です。
水道水をそのまま飲むと少し薬品のにおいを感じることもありますが、基本的にはろ過・消毒がきちんとされている証拠として考えられます。
井戸水
地下にある水脈からくみ上げたものが井戸水です。地下から直接くみ上げているため水道水のような処理はされていません。
地表から水脈まで10~30メートルの場合を浅井戸、30メートル以上のものを深井戸と呼びます。浅井戸は、水脈までの距離が短いためろ過が不十分な場合が多く飲用には適しません。深井戸は浅井戸の水より比較的ろ過されていますが、飲用には十分な検査が必要です。
基本的に井戸水は、飲用ではなく生活用水として使用することが推奨されています。
井戸水を飲み水とする場合のポイント
井戸水を安全に飲むためには大きく2つのポイントがあります。それぞれ解説します。
1.水質を検査する
井戸水を安全に飲むために欠かせないのが、水質の検査です。個人の井戸における水質の検査は義務化はされていませんが、東京都保健医療局では、井戸水を飲用する場合は安全性のためにも年1回は専門の検査を受けるよう推奨しています。
検査は厚生労働大臣の登録を受けた検査機関などで実施しており、費用相場は8000円~2万円ほどです。
2.井戸周辺の環境を整備する
地下水は周辺環境の影響を受けやすいため、周辺環境の整備も大切です。周辺で大量の農薬散布があったり、野生動物が生息していたりする場合には特に注意しましょう。ふたをする、定期的に清掃・点検を実施するなどの対策をする必要があります。
井戸水の使用で水道代は節約できる?
井戸水を使用すれば水道代の節約は可能です。水道代は基本料金と使用量で料金が決められています。
東京都水道局によると、家庭で1人が1日に使用する平均的な水の量はおよそ221リットル(令和3年度)とのことです。水道料金は地域などで異なりますが、基本料金を除く1リットルあたりの水道料金を0.24円で計算すると、1ヶ月あたりの使用料金は1591円ほどであり、これに基本料金が加わります。
また、井戸はポンプを使い水をくみ上げる必要があり、電動の場合は電気代がかかります。電気代についても地域や企業によって差がありますが1キロワットアワーあたり29.8円で計算した場合、基本料金を除く電気代の目安は、消費電力400ワットの電動ポンプであれば1時間あたり11.9円ほどです。
井戸が飲用にも使用でき、水源のほとんどを井戸に頼る場合であれば、かかる電気代を考えても水道光熱費の削減は可能でしょう。
井戸水を飲用する場合には、自分たちで水質検査を依頼する必要がある
井戸水を飲用する場合は安全性のために水質検査は必須です。今まで飲んでいて問題がなかったとしても、井戸水は周囲の環境の変化を受けやすいため1年に1回は検査を実施しましょう。費用相場は、8000円~2万円ほどです。
水道料金は従量課金制となっており、基本料金プラス使用量で料金が決まります。井戸を使用し、水道の利用を減らせばその分水道料金を節約できます。ただし井戸水は、必ずしも安全性が担保されているわけではありませんので、基本的には生活用水として使用することがよいでしょう。
出典
東京都水道局 よくある質問 もっと知りたい「水道」のこと 質問;一人1日どのくらいの水を使うのですか。
東京都保健医療局
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー