更新日: 2024.07.01 その他
家族の定期券を借りて電車に乗ったら、罪になるって本当ですか? 罰金などは請求されるのでしょうか?
しかし、定期券を複数人で使い回す行為は不正利用にあたる可能性があるため注意が必要です。
本記事では、家族の定期券を借りて電車に乗る行為が不正利用にあたるのか、どのような罪に問われるのか、不正利用が発覚した際に支払う金額はいくらか、などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家族の定期券でも不正利用にあたる
氏名が記名されている定期券は所有者専用のものであるため、他人に貸すことは禁止されています。定期券購入の際に料金を支払った契約者のみが利用することを前提としているため、友人や家族など自分の知っている人であっても、他人の定期券を使用するのは不正利用に該当します。
これは、1人分の購入価格で数人が電車やバスを利用できてしまうと、収入の損失につながるため、厳しい罰則を設けているといわれています。
例えば、定期券を不正利用したことが発覚すると、定期券の利用が無効となり回収されてしまいます。残っている定期券の利用期間に関係なく回収されてしまうため、6ヶ月定期で1ヶ月使用した後に不正利用が発覚すれば、5ヶ月分の利用が無効になってしまいます。また、不正利用した場合、割増運賃の支払いを請求するケースもあるそうです。
詐欺罪とみなされる可能性もある
不正利用が何度も繰り返されており、悪質だと判断された場合、鉄道営業法違反や詐欺罪で刑事告訴されてしまう可能性があります。もし、詐欺罪として成立が認められてしまうと、刑法第二百四十六条の定めにより、「十年以下の懲役」に科せられるおそれがあるでしょう。
改札機を使用すれば、他人の定期券を借りていることがバレないだろうと思っていても、駅の職員が改札を通過した定期券の情報をモニターで監視しているため、定期券内の情報と使用者の性別や年齢が明らかに異なっている場合は、声をかけられる可能性があります。
不正利用発覚で支払う金額
東日本旅客鉄道株式会社では、旅客営業規則で定期券の不正利用について定めています。同社の旅客営業規則第168条には、定期券に記名されている人以外が使用した場合は、「無効として回収する」と記載されています。そのため、不正利用が発覚した時点で定期券は使用できなくなってしまうと考えられます。
また同社規則第265条にもとづき、定期券の使用開始日から不正利用発覚日まで、2倍の割増運賃を請求するとしています。具体的には「定期券の利用開始日から不正利用発覚日までの日数×定期券に記載されている区間の往復運賃×2倍」という計算式により算出した金額を請求されます。
例えば、往復運賃が1300円の定期を100日間不正利用していた場合の請求金額は、以下の通りです。
1300円×100日間×2倍=26万円
定期券を不正利用すると、無効になってしまうだけではなく多額の請求をされる可能性があるため、不正利用はしないようにしましょう。
定期の貸し借りは家族であっても禁止されている
定期券の貸し借りは、家族であっても不正利用になります。貸し借りが発覚すれば、定期券は没収され、場合によっては多額の請求をされる可能性があります。何度も繰り返して悪質だと判断されれば詐欺罪として告訴される可能性もあるでしょう。
隣駅まで買い物に行きたいからなどと安易な気持ちで定期を借りてしまうと、のちに大きな負担を抱える場合があるため、定期券の貸し借りはやめましょう。
出典
e-Gov法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法 第二百四十六条
JR東日本 旅客営業規則 第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力
JR東日本 旅客営業規則 第2編 旅客営業 -第7章 乗車変更等の取扱い -第3節 旅客の特殊取扱 -第2款 乗車券類の無札及び無効
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー