更新日: 2024.06.07 その他

父の死亡時に会社から「1万円」の慶弔見舞金をもらった! 同僚は「3万円」だったらしいけど、金額は決まってないの?「慶弔見舞金の種類」や課税されるかも解説

父の死亡時に会社から「1万円」の慶弔見舞金をもらった! 同僚は「3万円」だったらしいけど、金額は決まってないの?「慶弔見舞金の種類」や課税されるかも解説
慶弔見舞金とは、従業員にお祝いごとや不幸などがあったときに、会社が従業員に渡すお金です。法的義務はないこともあり、会社によって内容や金額が異なります。本記事では、会社が従業員に支払う慶弔見舞金について、概要や種類、支払われた際の税金や社会保険料の扱いなどを紹介します。

慶弔見舞金とは

慶弔見舞金とは、従業員や従業員の家族の慶事や弔事のときに、会社が従業員に支給するものです。福利厚生の1つとして、多くの会社に導入されています。
 

慶弔見舞金の種類

一般的な慶弔見舞金として、次のようなものが挙げられます。

・結婚祝い金
 
・出産祝い金
 
・傷病見舞金
 
・死亡弔慰金
 
・災害見舞金

慶弔見舞金の内容は、会社によってさまざまです。同じ「死亡弔慰金」という名称であっても、対象を「父母と子まで」とする会社もあれば、祖父母や兄弟姉妹の死亡までを支給の対象範囲とする会社もあります。
 
従業員への傷病見舞金や死亡弔慰金については、死亡原因を「業務上」と「業務外」に分け、金額に差をつける会社も多く見られます。
 

慶弔見舞金は非課税

会社から従業員に支払われる慶弔見舞金ですが、賃金のように所得税や社会保険料がかかるのでしょうか。
 
まず所得税ですが、慶弔見舞金については非課税です。ただし「その金額が社会通念上相当と認められるものである」ことが、非課税の条件とされています。つまり、あまりに高額な結婚祝い金などは課税対象になることもあるのです。
 
また、慶弔見舞金は事業主が恩恵的に支給するもので労働の対償とは認められないため、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)の算定にはカウントされません。労働保険料(労災保険料と雇用保険料)も同様です。
 

慶弔見舞金は義務ではない

従業員にとって、うれしかったり慰めになったりする慶弔見舞金ですが、会社には慶弔見舞金を支給する法的な義務はありません。
 
ただし、就業規則や雇用契約書などに、慶弔見舞金の支給要件や金額等が明記されている場合は、会社と従業員との約束という意味で、慶弔見舞金を支給する義務が発生します。
 

慶弔見舞金はさまざま

法律で強制される給付ではないこともあり、慶弔見舞金の種類や範囲、金額などは、会社によってさまざまです。
 
例えば、社内結婚の従業員夫妻に子どもが生まれた場合、出産祝い金を夫婦両方に支払う会社もあれば、どちらか片方のみの会社もあります。また結婚祝い金についても、「支給は1度のみ」「2度目以降は1度目の80%」など、バラエティ豊かです。
 
また、従業員の父母が亡くなったときの死亡弔慰金も、一律な金額を出す会社もあれば、同居しているか・扶養しているか等により、支給額に差異を設けている会社もあります。本記事の主題である「同僚には3万円、自分には1万円の慶弔見舞金」という事態は、このケースに該当するかもしれません。
 

勤務先の慶弔見舞金はいくら?

「うちの会社の慶弔見舞金は、どんな内容なのだろう? 」と思うときは、まず就業規則を確認してみましょう。就業規則の中に「慶弔見舞金」の条を設けていることもありますが、「慶弔見舞金規程」のように別規程を作っている会社もあります。
 
しかし、小規模な会社などでは慶弔見舞金の規定がなく、「社長の裁量」になっているといったようなことも少なくないようです。そうなると、全く同じ慶事や弔事に対するお金でも「Aさんには3万円」「Bさんには1万円」といったことが起こり得ます。
 
たとえ社長に悪気がなくても、自分がもらった慶弔見舞金が同僚より少ないと気づいたら悲しいでしょうし、会社への信頼すら揺らぐかもしれません。福利厚生の一環である慶弔見舞金が従業員のモチベーションをくじいてしまったら、本末転倒です。
 
もし、勤めている会社がそのような状況だったら、上司や人事担当者に、何かの折にさりげなく「お祝い金や香典は、額を決めておいた方が不公平にならないのでは」と進言してみても良いかもしれません。
 

まとめ

従業員のお祝いごとや不幸に際し、会社が従業員に支払う慶弔見舞金の制度は、多くの会社で取り入れられています。慶弔見舞金の種類や内容、金額などは会社によって異なるため、勤めている会社の慶弔見舞金について今一度、就業規則などで確認してみてはいかがでしょうか。
 

出典

国税庁 ii 給与所得の範囲
日本年金機構 標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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