更新日: 2019.01.10 その他
都心を中心として拡大中、会員制シェアオフィスなど多様化するオフィス形態
例えば、利便性の高い都心を中心に展開する、「会員制シェアオフィス」などを活用することも、働き方の多様化の一環と言えるでしょう。
オフィスの形態ひとつとっても、「レンタルオフィス」や「サテライトオフィス」など、さまざまなものが生まれています。
これまでのように一カ所に固定されないオフィス(作業場)の活用について、それぞれの特長などを見てみましょう。
Text:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
拡大し続けるシェアオフィス
大手不動産会社などが本格的に参入し、拠点数が増加し続けているシェアオフィス事業ですが、厳選された立地が最大の特長と言えるでしょう。
設備内容は各社でさまざまですが、作業場となるデスクスペースのほか、個室オフィス、面談ブース、ラウンジ、会議室など、より利便性が高められ、設備の充実が図られる方向にあります。
また、サービスメニューに関しても、法人登記を可能とした住所利用や、郵便物・FAXの受取サービス、コンシェルジュサービスなど、至れり尽くせりのメニューが用意されています。
起業したばかりのベンチャーや個人の開業者の利用はもとより、企業に属する会社員が、わざわざ帰社しなくとも作業や面談ができる拠点としての機能性にも、高い評価があります。
移動時間の短縮や、外出先で仕事場を確保したい営業パーソンなどのニーズは極めて高く、法人による契約も進んでいます。
また、個人で利用する方にとっては、利用形態にもよりますが、会員制で月額数万円程度と、比較的安価な料金で利用開始できるという最大のメリットがあります。
さらに、都心の一等地の住所をビジネスにおいて利用できることも、仕事上のイメージアップにつながる要素と言えるでしょう。
一方で、フロア内を簡易に区切って共同利用しているため、機密情報の取り扱いに注意が必要なことや、決められたスペース以外で電話できないなどのデメリットもあります。
それをストレスと感じてしまう場合もあるかもしれません。
多様化するオフィス形態
シェアオフィスのほかにも、さまざまなオフィス形態が普及してきています。
(1)サテライトオフィス
企業の拠点から離れた場所に設置されたオフィスのことを言います。
例えば、東京に本社や業務の拠点を置く企業が、遠く離れた北海道や四国などの地方にサテライトオフィスを設けるなどの事例もあります。
遠隔地での仕事を可能とするために、ITツールがフル活用され、効率化が図られています。
企業にとっては、都会に比べて賃料などが格段に安くできる点や、自然豊かな環境で暮らしたい、仕事をしたいなどの、多様な考え方を持つ人材を活用できる点などがメリットとなるでしょう。
また、災害などを考慮したBCP(事業継続計画)の対策にもつながることに注目が集まっています。
(2)コワーキングスペース
こちらも最近よく耳にするキーワードです。
形態的にはシェアオフィスとよく似ているので、混同されることもあります。
実際、両者において明確な違いはないようですが、シェアオフィスはどちらかというと作業スペースであるのに対し、コワーキングスペースは、「利用者同士が交流を図ることでビジネスにつなげていく」という目的を重視していると言われています。
そのため、新たなコミュニティを形成したいと考えている人や、新しい事業やアイデアをビジネスに活かしたいと考えている人などに向いています。
逆に、静かな環境で作業したいという人には向いていないかもしれません。
まとめ
もうすでに、パソコンやタブレット端末が1台あれば、どこにいても仕事ができる環境となりつつあります。
「働き方改革の推進」が叫ばれる中で、今後もより一層オフィス形態の多様化が進展していくことでしょう。
企業にとっては、移動時間やコストの削減、仕事の効率化、結婚や出産を経験した女性をはじめとした、多様な人材の受け入れなど、さまざまなメリットも生まれています。
また、そこに働く社員にとっても、自らの働き方の選択肢を考えるきっかけとなるのではないでしょうか?
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー