更新日: 2019.01.10 その他

30年以内に90%の確率で発生すると言われる大規模災害 備えを万全にする為の心がけ

30年以内に90%の確率で発生すると言われる大規模災害 備えを万全にする為の心がけ
最近、台風やゲリラ豪雨、地震など、日本各地で自然災害が多発しています。南海トラフ地震も、30年以内に90%の確率で発生すると言われています。
 
そのような自然災害大国日本で、いざというときに自分や家族の身を守るためにはどうすればよいのでしょうか。
 
皆さんは備えてありますか?備えには、「地方自治体が無料で用意している、情報を知る」などの備えと、「自分で非常用品を買う、保険に加入する」など、お金がかかる備えの2つがあります。
 
どちらも大切な車の両輪ですので、バランスよく備えることが大切です。
 
金澤佳也

Text:金澤佳也(かなざわ けいや)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定

「安心して100年暮らせる」ためのアドバイス。
社会保障制度を踏まえたうえでiDeCo、NISA、保険の使い方のアドバイスを得意とする。

無料で得られる大切な情報とは?

一番簡単に手に入って、しかも非常に大切なものは「ハザードマップ」だと筆者は考えます。ハザードマップを簡単に言うと、その土地にどのような危険があるかを教えてくれるものです。
 
ハザードマップは、命を守るためのはとても大事な情報の1つです。これによってどのようなときに危険が及ぶかを知り、危険が差し迫ったときはその情報に基づいて早めに行動することで、命を守ることができます。
 
ハザードマップは非常時の羅針盤となるのです。
 
ハザードマップは、災害などに関する各種法律を根拠に地方自治体が地域の特性に合わせて作成しており、「地震」「津波」「河川氾濫」「火山噴火」「高潮」「土砂災害」などさまざまなものがあります。
 
基本的には各地方自治体が、施設での掲示、ホームページでの公開、各家庭への配布などさまざまな形で周知を図っています。
 
しかし、「今すぐに自分の住んでいるところの情報を知りたい!!」 という場合は、「国土交通省ハザードマップポータルサイト」から検索してみてください。
 
また、「〇〇市 ハザードマップ」※1などのキーワード検索をすれば、地方自治体のホームページからハザードマップを入手することができます。
 
特に「国土交通省ハザードマップポータルサイト」では、日本全国で公開されているハザードマップの情報をすぐに手に入れることができるので、普段の通勤経路や、出張先の情報などをまとめて手に入れるのに便利です。
 
例をいくつかご紹介していきますが、どの自治体も同じというものではありません。ご自分の関わる地域のものをぜひ調べてみてください。
 

さまざまなハザードマップ

■地域防災マップ
これはすべての災害に共通する地図になっていて、避難所や広域避難場所、応急給水所などの情報が記載されています。自分がいるエリアの場合、どこへ避難すればよいのかが分かるようになっています。
 
地域によっては町内会ごと避難所を指定されていたりするので、マンションにお住まいの方などは、自分のマンションがどの町内会に加入しているのかを調べることも必要です。
 
■地震災害ハザードマップ
各自治体によって、震度予想を示していたり、危険度を示していたりとさまざまです。震度予想が示されているマップであれば、強い揺れが予測されるエリアにいる場合は、それに備えることができます。
 
また、危険度が示されたマップであれば、危険度の高いエリアにいる場合は、火災が発生する前に避難するなどの対応がをとることができます。
 
■「地震に関する地域危険度測定調査」東京都
例えば、東京都では、都市整備局が「地震に関する地域危険度測定調査」※2という形で公表しています。
 
地震が発生したときに、その地域の「建物倒壊危険度」と「火災危険度」の2つの値を算出します。その2つに「災害時活動困難度」を加味し、「総合危険度」を算出。してその危険度を色分けして表示したマップです。
 

 
■河川氾濫・水害ハザードマップ
付近に大きな川がある自治体などでは、その川の堤防が決壊した場合に、どのエリアがどの程度浸水するかを示します。大きな川がない自治体でも、大雨が降った場合にどのエリアに雨水が集中して、浸水する可能性があるかが分かります。
 
これを見れば、河川の決壊や大雨のときには、どのあたりが危険で、どこに避難すれば安全か、どこを通ることができなくなるかといったことが判断できます。
 
■津波・高潮ハザードマップ
海に面している自治体などでは、津波や高潮が発生した場合に、どの程度の範囲が浸水するかを示しています。
 
特に津波の場合は速やかに高いところへ避難することが大切ですので、その避難場所も併せて記載されています。
これを見ることで、津波や高潮が発生した場合は、どのエリアが浸水する危険があり、どこに避難すればよいか判断できます。
 
■火山噴火ハザードマップ
これも他のマップと同様に、どのエリアが危険でどこへ逃げればよいか判断できます。
 
火山が噴火した場合は火砕流や溶岩流、土石流などの直接的な被害に加え、火山灰が広範囲に広がります。
 
離れていても火山灰が風に乗って遠くまで届くので、近くに火山がないからといって安心してはいけません。周辺の火山噴火ハザードマップを一度見てみることをおすすめします。
 
■「富士山火山防災マップ」富士山火山防災協議会
日本の象徴である富士山が噴火した場合は、新幹線や高速道路など、国の経済活動への被害が特に大きくなると予想されます。
 
そのため、内閣府が「富士山火山防災協議会」を立ち上げ、調査研究などを行い、「富士山火山防災マップ」※3を公表しています。
 

お金をかけて備えるべきものとは?

■火災保険
まず、住むところや家財道具などの損害を補塡(ほてん)するためのものです。名前は火災保険ですが、水害や風災害なども補償してくれるものが、最近では一般的になっています。
 
加入時期が昔だと、水害の補償が付いていないタイプもあるので、一度確認する必要があります。
 
■地震保険
地震を原因として、火災や家の損害などが発生した場合は、地震保険に加入していないと保障が一切されません。地震保険は基本的に先の火災保険とセットで加入することになっていて、単独での加入は原則できません。
 
地震保険は国の法律で定められている保険ですので、保険料も住んでいるエリアで決定され、会社ごとの差異はありません。保障の限度額は火災保険の50%となっているので、保障が十分でないという部分があります。
 
が、保険会社によってはその不足分を上乗せ保障できる会社もあります。
 
■防災用品
ホームセンターなどで、防災用品のコーナーに行けば、非常持ち出しセットだけでなく、単品でもいろいろなものを売っています。特に必要なものは何でしょうか? ライフライン(電気、ガス、水道)が止まったときを考えてみてください。
 
まず生きる上で最も大切なものは、「水」です。飲料用として大人1人当たり1日2Ⅼ。最低でも3日分。できれば7日分以上ストックがあるべきです。
 
もし乳幼児がいる場合には、ミルクや洗浄などでかなりの量が必要ですので、それ以上に備える必要があります。
 
次に「食料」です。ガスがないと調理もできません。発災から2、3日は冷蔵庫の中身で食べられるものを消費します。それが尽きると、火がない状態で食べられるものが必要になってきます。
 
食料品も水と同様に、最低でも人数×3日、理想は7日以上分ストックをしておくことが望ましいです。
 
最後に「明かり」です。日中はなくてもいいかもしれませんが、夜は明かりがないと生活できませんよね。懐中電灯だけでなく、生活をするためにはランタンなどが非常に役に立ちます。
 
当然電気の復旧に時間もかかるので、電池やろうそくも必要です。
 

まとめ

非常事態において、最終的に自分の身を守るのは自分です。ボーイスカウトのモットーである「備えよ常に」の心構えが大切です。
 
そのためには普段から少しアンテナを高くして、身の回りにどんな危険が潜んでいるのか?? どうすればそれに対応できるか? ほんの少し考えておきましょう。それだけで、生死を分けることになるかもしれません。
 
年に1回でもハザードマップを開いてみて、非常食で1日暮らして過ごしてみるというのはいかがでしょうか??
 
※1「国土交通省ハザードマップポータルサイト」
※2「地震に関する地域危険度測定調査」
※3「富士山火山防災マップ」
 
Text:金澤 佳也(かなざわ けいや)
トラスト 代表取締役
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
 

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