更新日: 2019.01.11 その他
就活にかかるにお金は馬鹿にならない? 親だったら知っておきたい就活にかかる費用
10月1日時点での大学生の就職活動とその結果について、株式会社ディスコが、2019年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)を対象に、10月1日時点での就職活動に関する調査を行い、その結果を発表しました。※
売り手市場と言うことが影響し、費用が若干下がったそうです。それを見ていきましょう。
Text:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
交通費は平均6万2517円!それでも少し減っている
同調査によると、就職活動にかかった費用は平均13万5881円で前年(14万3943円)より約8000円減少しているそうです。では就職活動にかかった費用とは? 「リクルートスーツ代(シャツ、靴などを含む)」「交通費」「宿泊費」「資料費(新聞、書籍など)」「備品代(カバン、パソコン、手帳など)」「有料講座受講費」「その他経費(通信費を含む)」の7つの項目でみていきます。
■就職活動にかかった費用内訳の平均
1.リクルートスーツ代(シャツ、靴などを含む) 3万7094円(2019年卒者平均、以下同)
2.交通費 6万2517円
3.宿泊費 1万0902円
4.資料費 7343円
5.備品代 9221円
6.有料講座受講費 6201円
7.その他経費 2602円
総体的に下がっていますが、宿泊費だけは前年の8765円より約2000円上がっているようで、ホテル不足が影響しているのでしょうか。
しかし、一番のボリュームを占める交通費が、前年の6万6170円より約3600円下がっています。これは、本調査資料では、学生に有利な「売り手市場」や、早期に志望企業の絞り込みが行われた影響ではないか、そして、それによってセミナー参加や面接などに行くことが減ったのではないかと考察されています。
就活費用は約半数が「親がもつ」
その就活費用の出どころが問題です。本調査ではその出どころも聞いています。
1.親に出してもらった(返済しない) 48.6%
2.親に借りた(返済する) 11.4%
3.全部自分で工面した 40.0%
ここから、親が子どもの就活に負担する金額は平均8万4399円と割り出しています。
何だかんだいって、親は10万円程度の出費を見ておかなくてはいけないのかもしれません。しかも、地域によってその金額に差があります。関東以外の地域では、就活費用がさらに上がります。
■就職活動にかかった費用平均
・北海道 18万0223円(2019年卒者平均、以下同)
・東北 13万4467円
・関東 11万0424円
・中部 15万0661円
・近畿 14万2355円
・中国・四国 17万0167円
・九州 16万8416円
多少下がったとはいえ、やはり親の負担は大きいものと考えられます。
調査には回答した学生のフリーアンサーが記載されていますが、中には「中四国 男子 総額47万2000円」「北海道 男子 総額29万円」「近畿 女子 総額19万3000円」「九州 男子 総額43万円」など、平均を大きく上回る金額も記されています。東京に長期間滞在して就職活動を行ったりすれば、かなりの金額が出ていきますね。正直、地方の学生にとってハンデです。
しかし、企業から交通費の支給を受けた学生は7割を超えているとのことです(76.4%)。そうであれば親や学生の負担は少し減りますね。現在いろいろと議論されている就活日程の変更より、こういう費用を企業側が負担することをルール化して欲しいと願う学生や親が多いかもしれません。
※株式会社ディスコ報道発表「10 月 1 日時点の就職活動調査 」より
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家