更新日: 2019.09.10 その他
「所有」から「共有」 多様化するレンタルビジネスの現状
そこには、「物を所有する」ことに満足感を得ていた時代から「共有」することに価値を見いだす、消費者の意識の変革が大きくかかわっているようです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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変革する消費者の意識「所有」から「共有」へ
現代が、物の所有が幸せに直結しない時代だといわれているのはご存知でしょうか。PGF生命が行った「シェアリング・エコノミーと所有に関する意識調査2016」によると、所有についての意識を問う設問の「物を所有するより、得られる体験にお金をかけたい」という項目に対し、「そう思う」と答えた人の割合は、69%以上にのぼりました。
また、同調査の「レンタル品や中古品の利用に抵抗はない」という項目に対して「そう思う」と答えた人は67.1%にのぼり、消費者にレンタルや中古品を使うことへのハードルが下がっていることが伺えます。
たくさんの物、ほしい物を所有することに満足を感じていた2000年代頃までと違い、生活環境に合わせて物を活用する時代に変革しつつあるようです。
多様化するレンタルビジネス
このような消費者の意識に加え、ネットやスマホの利用が普及したことによってレンタルビジネスはジャンルやバリエーションがどんどん増えてきました。そんなレンタルビジネスを利用することによって、時には所有するよりお得に物を活用することができるようになりました。いくつか最新のレンタルビジネスをご紹介します。
○ファッションレンタル系
ネットの広告などでよく見かけるのがファッション系のレンタルサービス。仕組みとしてスタンダードなものは、「月々定額制レンタル」です。月々3000円~1万円程度の金額で、コーディネートされた服が数着レンタルできる仕組みや、ブランドバッグやジュエリーが何度でもレンタルできるものなどがあります。
流行の服を着たいけどクローゼットの物を増やしたくないという人や、ブランド物は好きで目移りしてしまうけれど購入するにはお金がない、という人にはぴったりの仕組みかもしれません。
○子育てグッズ系
ひと昔前にも、ベビーベッドやベビーカーなどのいわゆる大物は、レンタルショップにたくさん並んでいました。しかし近年では、それだけではないさまざまな子育てグッズがレンタルされているようです。
例えばおもちゃの定額レンタル。サービスによって金額はまちまちですが、数千円で子どもの月齢に合わせて、数個のおもちゃが毎月から半年程度の間隔で送られてくるサービスです。どんどん大きくなる子どもに合わせておもちゃを買っていくと、お金がかかるだけでなく、家もおもちゃでいっぱいに! そんな悩みを解決してくれそうですね。
○イベント・家電系
これまでのレンタルサービスでも、イベントなど短期間しか使用しないグッズや家電をレンタルするという方は多かったと思います。しかし、現代ではちょっと違った理由でのレンタルも増えてきているのです。
それは「購入する前の試し借り」。例えばちょっと高価な高性能のカメラや、これまで使ったことのなかったお掃除ロボット、まだ使い方もわからないドローンなど。カメラは数十万円といった価格帯もざらですし、お掃除ロボットも商品にはよりますが、10万円を超えるものもあります。
高額なので、万一満足できる使い心地が感じられなければ、無駄な出費になってしまいます。そんなとき、レンタルしてその性能や使い勝手などを試した後、購入するかを検討すれば安心。新しい電化製品等、ちょっと高価でどうしようかなと迷ったらレンタルを探してみるというのも、失敗しないための有効な手段かもしれません。
「断捨離」「ミニマル」という言葉が流行り、所有することにこだわりが薄くなった昨今。レンタルビジネスは、思いもかけない便利さを提供し、私たちの暮らしを豊かにしてくれるかもしれませんね。
出典
PGF生命「シェアリング・エコノミーと所有に関する意識調査2016」
Text:FINANCIAL FIELD編集部