更新日: 2019.01.11 その他

1ヶ月の残業時間100時間超。つらい。辞めたい。 もし、「うつ」で休んだら、給料はどうなる?

執筆者 : 堀江佳久

1ヶ月の残業時間100時間超。つらい。辞めたい。 もし、「うつ」で休んだら、給料はどうなる?
厚生労働省によると、2017年度に仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、労災認定を受けたのは506人で、2016年度比で8人増でした。1983年度の統計開始以降、過去最多を更新したということです。

こういった状況の中で、自己防衛として長時間労働はしない、休養や睡眠をしっかりとる、ストレスはためないなど、さまざまな対策が必要でしょう。

もし、うつ病をはじめとした精神疾患になってしまったら、生活を守るためにどうすればいいのでしょうか? 会社を休んでも、給与は支払われるのでしょうか? そういった疑問に答えてみます。
堀江佳久

Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

精神疾患の労災状況「過去最多」

冒頭にも書きましたが、仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、労災認定を受けた人数は過去最多を更新しました。500人超は初めてのことです。

うち自殺、自殺未遂で労災認定を受けたのは14人増の98人。約半数が30代以下で、約3割の1ヶ月平均残業時間が100時間以上でした。また、精神疾患による労災申請も1732人。2016年度比で146人増と、過去最多になっています。10年前の約1.8倍となり、増加に歯止めのかからない状況が続いています。
 
労災認定された人が精神疾患を発症した原因は「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」が最も多く、「仕事内容、仕事量の変化」が続いているようで、職場でのハラスメント(嫌がらせ)の広がりや過重労働が問題と思われます。
 
このように、うつ病などの精神疾患にかかり、労災認定を受けた人が年々増加し、会社に関することが原因となる「心の病」の増加にブレーキをかけることができない状況です。
 

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病気で休んでいるときに支払われる給与はどれくらいか?

体調が悪かったり、通院したりするために会社を休んだときや、療養のため長期の休職をした場合に、利用できる制度や手当は次のようなものがあります。
 

■年次有給休暇

年次有給休暇は正社員、パートタイムなどの雇用形態にかかわらず、法令上の要件を満たせば付与されます。体調が悪くて休んだとしても、年次有給休暇を活用すれば、給与の減額はありません。
 
労働基準法により、年次有給休暇は、雇い入れの日から6ヶ月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して最低10日を付与することになっています。その後は、継続勤務年数1年ごとに一定日数を可算した日数となり、最大20日が付与されます。
 
なお、パートタイム労働者の場合には、その勤務日数に応じて比例的に付与されます。また、年次有給休暇の請求権の時効は2年です。前年の年次有給休暇を繰り越すことができるので覚えておきましょう。
 

■病気休暇

会社が任意で定めた休暇として、私傷病の療養のために、年次有給休暇とは別に利用できる休暇制度です。ただし、給料の何パーセントが取得できるか、取得できる期間などは、企業によって異なります。制度のある企業に勤務していた場合は、活用を検討しましょう。
 

■傷病手当

傷病手当金は、病気休業中に健康保険の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
 
支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヶ月です。傷病手当金はおおよそ「給料の3分の2」となります。
 
上記以外にも会社によって各種制度がありますので、病気になったら無理して仕事をせずに、病気を治すことを最優先に考えましょう。
 
人生100年時代。少しくらいの寄り道をしても、リカバリーできます。長い目でみて、自分の体調を戻すことを考えながら、会社の制度をうまく活用することが大切だと思います。
 
出典:
厚生労働省ウェブサイト ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 2018年7月 > 平成29年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
全国健康保険協会ホームページ 

Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー