更新日: 2019.01.11 その他
意外と高額になる? 大学受験のための諸費用は年内に準備しよう
大学受験のための諸費用というと、学費や生活費の仕送りなどに比べれば少額ですし、特に対策は必要ないと思われるかもしれません。ところが、受験する大学ごとに試験料がかかりますし、さらに受験会場へ行くための交通費、宿泊費なども必要になります。
そこで今回は、大学受験にはどういったお金がかかるのかをしっかり確認し、いつまでに、どのくらい見積もっておけば良いかを改めて考えてみたいと思います。
試験を受けるための費用はどのくらい?
教育に関する支出は、今や人生の三大出費のうちの1つです。
お子さんの大学進学にかかるお金をおおまかに見積もると、大学在学中にかかる学費と生活費等でかかるお金は、国公立大学であっても自宅通学で500万円強、自宅外なら1000万円弱となっています。
参考: 日本政策金融公庫「平成29年度 教育費負担の実態調査」より
大きな出費ですので、こういった費用についてはお子さんが小さいときから考え、準備されているというご家庭も多いかもしれません。
一方、受験時には以下のように細かい費用が必要になります。
1、交通費・宿泊費
受験の際には、受験会場までの交通費のほか、遠方であれば宿泊費も用意しなくてはなりません。この宿泊費については地域によっても異なりますが、仮に1泊9000円くらいと見積もっておきます。食事代などの雑費も多少かかると思います。
交通費については、例えば東北地方に住む受験生が首都圏の大学を受験するという場合、新幹線と在来線を利用して、往復3万5000円程度でしょうか。
自宅近郊であれば数千円程度としておきます。
ただし、ご存知の方も多いと思いますが、地方受験という方法もあります。
これは大学の所在地以外の地方都市等で受験できる試験のことで、学生数が多い私立大学では実施しているところが多いようですが、すべての大学で行っているわけではありません。しかし、地方受験を利用できれば遠方の大学でも自宅近くで受験することができます。
また、私立大学を受験する場合に、入試日程が連続するように予定を組むなどすると、交通費だけではなく、受験生の貴重な時間を効率的に活用できますので、地方受験や日程組みについては、お子さんとよく相談してみるといいと思います。
2、受験料など
次に、受験料などの費用はいくらになるでしょうか。
(1)センター試験
3教科以上 1万8000円
2教科以下 1万2000円
※成績通知を希望する場合は、プラス800円
(2)国公立大学/二次試験(平均)
1校あたり 約1万7000円
(3)私立大学/一般入試・二次試験(平均)
1校につき 約3万5000円
※歯学系・医学系では4~6万円かかる場合があります
さらに、私立大学の場合、願書を購入する費用として1校あたり1000円前後かかる場合が多いようです。センター試験の願書、また国公立大の願書については無料です。
合計するといくらかかる?
では、具体的にこれらのお金がどのくらいかかるか、例として私立大学3校、国立大学1校の受験をした場合において、以下のように計算してみました。
【例】
・交通費(※地方受験が2回、遠方の受験が2回の場合。仮に遠方は往復3万5000円、地方受験は往復2000円とする)
3万5000円×2回= 7万円
2000円×2回= 4000円
・宿泊費(※仮に1泊9000円とする)
9000円×2回= 1万8000円
・その他、食事代などの雑費
5000円×2回= 1万円
・センター試験検定料(成績通知なし)
1万8000円×1回= 1万8000円
・受験料(国立大学)
1万7000円×1校= 1万7000円
・受験料(私立大学)
3万5000円×3校= 10万5000円
・願書代(私立大学)
1000円×3校= 3000円
合計 24万5000円
もちろん受験校数やその他の状況によって異なりますが、地方在住で都市圏の大学を受験するという場合、上記のようなパターンも多いかと思います。
先述の通り、日程をうまく組めば、何度も遠方へ往復しなくてもよくなりますので、実際にはもっと少額で済むかもしれません。とはいえ、大学受験にかかる諸経費は、合計すると数十万円かかることがあり、時期的には各試験料の支払い前の、年内までに用意しておく必要があるということを覚えておくと急な出費に慌てることもないでしょう。
どこから支出するか
では、これらの費用はどこから支出すればいいでしょうか。
もちろん、学費や生活費として準備してきたお金からでもいいのですが、入学後に予定外の費用がかかることもありますし、できれば別途、用意しておくことが望ましいと思います。
例えば、お子さんが高校に入学してすぐに、毎月1万円ずつ家計から貯蓄しておけば、高校3年生の秋頃までに30万円くらい貯めることができます。
また、「学資保険」や「こども保険」から準備するというご家庭もあるかと思います。これらの保険は、17歳満期であればほぼ問題ありませんが、18歳満期の場合、契約時の受取時期を確認しておきましょう。場合によっては年内に受け取れないこともあります。
大学受験の大切な時期、お子さんには受験に集中して、試験当日はこれまでの勉強の成果を余すことなく発揮できるよう、お金について余計な心配はかけたくないものです。
受験に関する緒費用についても、事前にしっかり把握し、余裕を持って準備できるといいですね。
出典: 日本政策金融公庫「平成29年度 教育費負担の実態調査」
Text:藤丸 史果(ふじまる あやか)
ファイナンシャルプランナー