更新日: 2019.01.11 その他
【副業】アツアツほくほくの焼き芋の季節!食べるのもいいけど焼き芋販売は副業として成り立つか?
さて、その焼き芋の販売ですが、副業としてできるものなのでしょうか? 焼き芋屋さん用の販売車・用具を多数提供している焼き芋のプロ、京都の「やきいも工房」にお話を伺いました。
Text:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
軽トラックプラスオプション50万円がひとつの目安
「やきいも工房」によると、「まず開業には軽トラックが必要です」とのこと。それプラス専用コンロや幌(ほろ)などのオプションを取り付けるのに、だいたい50万円かかるようです。
そのオプションの中には、スピーカーやアンプと、あの「やーきいも~」という売り声のテープ、のれんや価格表、ちょうちんも含まれています。
N-BOXのような軽ワゴンタイプは? と伺うと、可能だけど売り方が限られるとのこと。たとえばスーパーの空き場所で許可を取って販売するなどはできますが、いわゆる「流し」で販売するには、軽トラックに幌をつけるスタイルの方が向いているし、いろいろ使い回しが効くということでした。
聞いて驚きなのは、「焼き芋屋を始めるのに特別な許可はいりません」ということです。
石焼き芋の販売は、どこにも届出の必要がないので、上記のオプションが揃えば、あとは芋を仕入れれば即、焼き芋屋さんを開業することが可能なのです。
副業で売るならパートナーがいた方がいい
たとえばサラリーマンが、副業として夜だけそういう焼き芋屋さんを行うのは可能ですか? と聞いてみたところ、「可能です。やっている人もいます」とのこと。
ただし、一人ではきびしくてパートナーが必要。たとえば奥さんが昼間お芋を仕入れて、焼いて準備しておき、自分が仕事から帰ってきて販売に行くというのがよろしいということでした。
原材料のお芋は青果市場で仕入れるそうです。お芋には産地や等級などいろいろありますが、一般的にプロの焼き芋屋さんが使うのは、5キロでだいたい1000~2000円前後。青果市場では一見さんでも買えるとのことです。
このお芋を焼いて、100グラムあたり100円から150円で売ると、5キロあたりだいたい5000円から7500円が見込めるそうですが、焼くと少し目方が減り、「売り上げには5キロあたり4500円から7000円ではないか」とのことです。
1日純利益は2万1000円から3万2000円ほど
ここまでの前提で、1日30キロのお芋を売りさばき、お芋の仕入れ費や燃料費、雑費などを引くと1日の純利益が2万1000円から3万2000円ぐらいではないかということです。
「売る場所などみなさん工夫されていますよ」とのことで、もっと売り上げる人は少なくないようです。
これはこちらの勝手な試算ですが、副業ですから、夜の3時間ぐらいしかできないでしょう。
しかし土日祝は1日まるまる使えます。「平日は5000円ほどの純利益(/日)」×20日で10万円。「土日祝は2万円ほどの純利益(/日)」×10日で20万円。合計30万円/月。
勝手な試算ですが、初期投資は取り返せそうに思えてしまいます。ただし、パートナーには当然お礼をしなくてはいけないでしょうし(あるいは全部取られる)、少しぐらい休まないとつらいですから、上記はあくまでも机上の計算ということで。
ともあれ、素人がイチからはじめたいとき、「やきいも工房」はいろいろ相談に乗ってくれるとのこと。北海道や沖縄からも開業希望者がたずねてくるそうです。
副業というより、たとえば定年後、「人にものを売る商売をはじめたい」という人に向いているのかもしれません。ほくほくでアツアツの焼き芋を手渡しするとき、お客さんの笑顔が楽しいかもしれませんね。
※やきいも工房
http://www.yakiimo.org/index.html
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家