更新日: 2019.05.17 子育て

夫婦の切なる思いを国も企業も強力バックアップ!子育ても仕事も両立できる!

執筆者 : 大竹麻佐子

夫婦の切なる思いを国も企業も強力バックアップ!子育ても仕事も両立できる!
FP(ファイナンシャルプランニング)相談に申し込まれる若い夫婦が増えています。
 
「子どもが欲しいけど、お金がかかりそうで不安」「近く出産予定ですが、資金計画が想像できない」「育児休暇中ですが、収支がマイナスです」と、テーマは『家計管理』が多数です。
 
ご夫婦の希望をふまえて、一般的なデータをもとにキャッシュフロー表(お金のながれを一覧表やグラフ化したもの)を作成し、数字的なイメージづくりからスタートします。
 
社会保障制度の危機的状況や、物価、教育費上昇のニュースを耳にすると、みなさん、やはり不安ですよね。しかし、話を進めていくと、不安の根底にあるのは、家計管理よりも自分自身の将来像が見えてこないことのようです。
 
「働き方改革」は、女性や高齢者を含むみんなが自分のできることをして、よりよい社会をつくろうという取り組みと言えます。後押しとなる制度やしくみを知り、自分らしいライフプランを考え、そして不安を減らすことが大切です。
 
大竹麻佐子

Text:大竹麻佐子(おおたけまさこ)

CFP🄬認定者・相続診断士

 
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
 
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
 
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
 
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/

確実に社会は変化している

一昔前は、男性が仕事、女性が家庭という概念が一般的でした。多くの女性が結婚・妊娠を理由に、または働く意思はあるのに時間的・労力的な問題でやむなく退職してきました。
 
内閣府男女共同参画局の労働人口をグラフ化した資料をみると、出産・乳幼児子育て期の女性の率が減少しており、アルファベットのMに見えることからM字カーブと呼ばれています(図参照)。時代とともに谷の部分が底上げされてきています。
 
深刻な少子化問題、労働力不足に歯止めをかけようと、国も支援を本格化し始めました。
 

 

「パパママ育休プラス制度」でパパも育児参加

その支援とは、パパも育児休暇を取得することで、ママの負担軽減と社会復帰を応援しようというものです。慣れない子育てを二人で取り組むもよし、ママの育休後にパパに引き継ぐもよし、さまざまなパターンが考えられます。(制限もありますのでご注意ください)
 
育児休暇中は無給とする企業が多くありますが、雇用保険から育児休業給付金を受け取ることができます。産休(出生後8週間)が終了した後、育児休業開始から180日は、休業開始時賃金日額の67%、以降子どもが1歳になるまで50%支給されます。
 
ここまでは以前と同じですが、「パパママ育休プラス制度」を利用すると、子どもが1歳2ヶ月まで適用されます。パパにも育児休業給付金は支給されます。
 
給付金は非課税ですので所得税徴収されません。
 
※育児休業給付金の額の基礎となる休業開始時賃金日額の算出方法はここでは割愛します。
 

※厚生労働省のパンフレット等をもとに筆者作成
 

育児休業期間の社会保険料免除

育児休業期間中は、事業主経由で申出書を提出することで、労使折半で負担する健康保険や厚生年金保険料などの社会保険料が免除されます。将来の年金額を計算する際は、この期間も保険料を納めたものとして扱われます。
 
とはいえ、収入が減ることは家計的に痛手です。この機会に支出を分析し、ムリ・ムラ・ムダを省く検討することは今後の生活に有効です。
 
復帰した際に、貯蓄できる額が増えることが多くあります。たとえ収支がマイナスでも、一時的なこととして悲観する必要はないでしょう。
 

企業もパパママ応援!!

「育児・介護休業法」は、事業者が育児や介護をしなければならない社員に対し、仕事と両立し、働き続けられるよう支援するための法律です。
 
労働時間、子の看護、所定外の労働制限、申し出に対する事業主の対応義務も規定に含まれています。女性の育児休業の取得率が83.2%に対して、男性は5.14%(厚生労働省 平成29年度雇用均等基本調査)と増加傾向とはいえ、まだまだパパの育児休暇取得は、ハードルが高そうです。
 
中小企業にとっては、前例のないことや少数精鋭の社員が一時的にせよ欠けることは厳しい状況です。働きやすい環境づくりが将来的によい会社づくりに発展するための課題として取り組むことを期待します。
 
働く側としては、出産後の職場復帰は経験を活かした業務に就くことができますし、時間短縮でも定期収入が得られれば、キャッシュフロー(お金のながれ)がよい状態で回ります。そのため、短期・中期・長期にわたって有効と言えます。
 

もし、企業の理解と協力が得られない場合、起業という選択肢も

「子どもと一緒に過ごしたい」「仕事の裁量は自分で決めたい」「やりたいことがある」など、ママが積極的に社会復帰を実現できる社会となりつつあります。
 
自治体の創業支援や保育園併設のシェアオフィスなど、制度だけでなく環境も整ってきました。とはいえ、経費や社会保険料の自己負担など、覚悟や勇気、そして家族の理解とサポートが必要です。
 
地域でのネットワークを活用して情報収集してみてはいかがでしょうか。自由な発想で夢や希望を考えてみましょう。ママがイキイキと輝いていることが何よりです。
 
出典
内閣府男女共同参画局「女性の年齢階級別労働力率の推移」
 
厚生労働省 平成29年度雇用均等基本調査(確報)
 

Text:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士

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