更新日: 2020.05.25 その他

日本人は心配ご無用!?「罰金の(ある)国」シンガポール

日本人は心配ご無用!?「罰金の(ある)国」シンガポール
シンガポールは「ファイン・シティー」又は「ファイン・カントリー」といわれることがあります。この「ファイン」は英語では‘かけ言葉’になっていて、「素晴らしい」という意味と、「罰金の」という意味があります。
 
つまり、「罰金の(ある)町」「罰金の(ある)国」というやや皮肉交じりの表現です。
 
様々な場面で「罰金」が課せられる可能性がありますが、その対処方法を知り、気を付けていれば、一般に普段からマナーのよい日本人は困ることは少ないといえます。
 
では、主に旅行者として訪れる際に注意したい罰金とはどんなことでしょうか。
 
岩永真理

執筆者:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

ゴミのポイ捨て

たばこのポイ捨てはもちろん、ゴミのポイ捨てはNGです。初回の罰金は300シンガポールドル、以下Sドル(約2万4千円)です。
 
さらに1992年からは、こうしたゴミをポイ捨てする人々の反省を促すため、「ゴミ収集作業命令(Corrective Work Order:CWO)」が導入され、常習犯にはこの命令が求刑されて、決められた地区のゴミの収集や掃き掃除などを、それとわかるような目立つベストを着用して行わなければなりません。
 
清掃員の苦労や、自分の捨てたゴミがいかに環境を害するかを知らしめる教育的な意味あいと、公共の場で辱しめを受けることで、今後の抑制効果をねらったものです。
 
CWOは敢えて公共の目立つ所で行わせるため、私も目撃しましたが、監督官がいるので、皆まじめに清掃作業に取り組んでいました。
 

禁煙区域での喫煙

200Sドル~1,000Sドル(約1万6千円~8万円)の罰金です。禁煙区域は下記の通り、広範囲にわたりますので喫煙の際はご注意を。
 
・商業地区:ショッピングセンター、市場など
・飲食店:レストラン、フードコートなど
・スポーツ施設:球場、プールなど
・医療施設:病院、診療所など
・公園:植物園、自然保護区など
・学校・図書館:公共図書館、教育施設など
・公共施設:博物館、美術館、映画館、劇場など
・公共の場:エレベーター、ロビー、階段、トイレ、橋の上など
・公共交通機関関連:空港、バス・タクシーなどの乗り物内、乗り物の停留所など
 

落書きや損壊

公共施設には権限のある人の書面の許可なしに、私的施設には持ち主の同意や許可なしに、鉛筆・クレヨン・白墨などで何かを書いたり印をつけたり、何かをはりつけたり、破壊したりする、或いはしようとすることは、最高で2,000Sドル(約16万円)の罰金または3年以内の投獄です。
 

歩行者専用場所(歩道橋や横断歩道など)以外の道路横断

初回は20Sドル(約1,600円)から最高1,000Sドル(約8万円)の罰金や3か月の投獄です。
 
シンガポールの道路は一方通行が多い反面、一歩路地に入ると相互通行になるため、一方しか見ないで渡ると危険な地域が多数あります。
 
横断歩道を渡れば安全な上、旅行中の事故を防ぎ、結果的には大きな時間とお金の節約になるでしょう。
 

地下鉄(MRT)内・地下鉄駅構内での飲食

最高500Sドル(約4万円)の罰金です。
 
食べ物はもちろん、液体がこぼれて乗客が滑ることを防ぐため、薬を飲む為の水もNGです。
 
必ず地下鉄の駅構内へ入る前に飲んでおくか、もしどうしても必要な場合は、近くの駅係員へ連絡するようにしましょう。その際は、駅係員が薬を飲める場所を特別に手配してくれることになっています。
 
赤ちゃんへの授乳も同様です。地下鉄駅構内へ入る前に済ませるか、駅係員に声をかけて、特別に手配を依頼するとよいでしょう。
 

公共交通機関の不正乗車

無賃乗車、高齢者割引などの不正使用(割引に該当しない人の割引利用)、乗車賃不足などは50Sドル(約4,000円)の罰金です。
 
シンガポールのバスや地下鉄は、日本のSuicaなどと同様に自動精算の電子カードで乗降車できます。
 
気を付けたいのは、バスを降りる際に精算機にタッチするのを忘れて精算しそこねると、やはり50Sドル(約4,000円)の罰金になる可能性があります。
 
以上、罰金の正体を知れば、旅行者としてシンガポールを訪れるのは、恐れるに足りないことがおわかり頂けたのではないでしょうか。シンガポールを「素晴らしい町」として楽しんでください。
 
Text:岩永 真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士

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