更新日: 2019.01.11 その他
成長するシェアエコ市場「SHARING DAY SHIBUYA 2018」に集まったシェアサービス
2018年9月8日、東京・渋谷でシェアエコに関係するプラットフォーム会社や、利用するシェアワーカー、興味のある市民などが集まって、「SHARING DAY SHIBUYA 2018」が開催されたので取材してきました。
Text:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
成長を続けるシェアエコ市場
国内のシェアエコ市場は、内閣府の調査では4700億円〜5250億円程度と推計されています。(※1)5000億円の市場規模というと豆腐業界や音楽業界が近いと言われています。いつの間にか大きな市場になって、さらに伸びているんですね。
そんなシェアエコのイベント「SHARING DAY SHIBUYA 2018」は、渋谷駅の明治通り沿いの野外スペースで一般社団法人シェアリングエコノミー協会の主催により開かれました。エアビーアンドビーやTABICA、ココナラ、ストリートアカデミー、クラウドワークスなどおなじみのプラットフォーム企業やマクアケなどのクラウドファンディング企業がブースを出していましたが、あまりビジネス色を強く感じるイベントではなく、社会貢献イベントとフリーマーケットを足して混ぜたような、「ゆるいつながり」と「社会にいいこと」を発信しているようなイベントと感じました。
その中で、シェアエコサービスを展開するお二人にお話を聞けたので、紹介します。
「SWAQ TOKYO」代表の千々岩佐知子さん
「SWAQ(スワック)TOKYO」代表の千々岩佐知子(ちぢいわ・さちこ)さんのブースには、まるでクローゼットのように洋服が並んでいました。若い女性が立ち寄っては、品定めしています。イベント参加者が、自分のクローゼットに眠っているような洋服やファッション小物を持ち寄ってきて、逆に会場にあるものを持ち帰ってよいのだそうです。
「物々交換」という古くて新しいシステムを通じて人の交流の輪を拡げ、お洒落にエコを楽しもうというのがコンセプトで、欧米の「ファッション・スワップ・パーティ(クローゼットに眠っている不要なファッションアイテムを持ち寄って交換するパーティ)」の日本版とのことです。
交換じたいは無料ですが、イベント(パーティ)への参加費が必要になります。ビジネス色はあまり強くなく、社会貢献活動や環境問題の啓蒙や、和文化の情報発信などをメインにした取り組みですが、こういう一見ビジネス色の強くなさそうな、社会貢献に資する取り組みが大きなムーブメントを起こすのかもしれません。
ミュージシャンもシェアエコ市場へ
イベントを盛り上げたミュージシャン
音楽家とエンドユーザーをつなぐプラットフォーム「Live Deli」を運営する株式会社ムジカルの大山幹也さんにもお話を聞きました。「SHARING DAY SHIBUYA 2018」で演奏しているのはこちらに登録のミュージシャンだそうです。
たとえば“パーティなどのイベントでミュージシャンに生演奏して欲しい”と考えても、どこに頼んでいいのか、お金はいくらぐらいかかるのかわかりません。「Live Deli」では、ミュージシャン1人当たり7000円~プラスシステム使用料15%(個人依頼の場合)と交通費(東京23区内は無料・その他はJR新宿駅からの実費)を支払うことでミュージシャンを呼ぶことができます。(注)
(注)別途消費税がかかります。ミュージシャンの報酬はシルバーランク(学生)は1人当たり7000円、ゴールドランク(一般など)8500円、プラチナランク(事務局が認定など)9500円以上とランクによって変わります。また、この金額は「報酬基準額(音楽会パッケージの場合の報酬額)」になり依頼内容によって変動します。
逆に、自分がミュージシャンとして登録したい場合は、上記の7000円~が報酬となりますが、そこからはシステム利用料を18%(シルバー、ゴールドランク)、プラチナランクの人は22%を支払います。交通費は別にもらえます(東京23区内は除く)。初回は事務局が同行してくれます(同行費3000円必要)。
シェアリング・エコノミーは、いろんなジャンルを巻き込んで大きくなっているだけでなく、何だか参加するのも、提供するのも楽しそうな業界になりつつあることを実感しました。もっともっと楽しいサービスが生まれてくるといいですね。
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家