更新日: 2019.01.11 その他

豪雨による浸水 各自治体によって違う制度・支援措置とは

執筆者 : 堀江佳久

豪雨による浸水 各自治体によって違う制度・支援措置とは
記録的な大雨により、近畿や四国を中心に甚大な被害が発生しています。報道によると、この西日本豪雨による死者は200人に上っています。
 
まず、対策すべきは、万が一自宅が損壊したときのために保険に加入することです。併せて、被害をなるべく小さくするために、住んでいる地域や家屋の状況に応じて必要な浸水対策をとることも重要です。
 
各自治体では、浸水などを防ぐための優遇税制のほか、助成制度などの支援措置があります。今回はその内容についても確認します。
 
堀江佳久

Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

今、すぐに確認、対応すべきこと

■火災保険

今加入している保険が、火事だけではなく豪雨による床上浸水や、土砂崩れ、台風による屋根の破損など、自然災害による損害も補償されているか確認しましょう。古い保険にはそれらが補償されないものや、補償額の70%までしか補償しない保険もあるので注意してください。
 
保険に加入していない人は、万が一のために保険の加入を検討しましょう。
 
なお、火災保険は料率の引き上げにともない、来年から保険料が上がる見通しなので、見直すなら早い方がよさそうです。
 
併せて、浸水対策ではありませんが、危機管理として火災保険に付帯する地震保険も見直すとよいでしょう。地震保険金額は、火災保険の半分までしか設定できません。そのため、家が全壊し、立て直そうとした際にお金が足りなくなることが想定されます。上乗せ補償をする商品を取り扱っている損害保険会社もあるので、確認しましょう。
 

■生活資金の準備など

たとえ保険に加入していたとしても、保険金を受け取るためには時間がかかるので、「6ヶ月から1年分の生活資金を現預金で準備しておきたい」と多くの専門家が指摘しています。
 
また、災害に備えて非常持ち出し袋を準備するとともに、預金通帳のコピーや加入している保険のコピーなども一緒にいれておくと有事の際に助かります。前もって準備しておくようにしましょう。
 

助成制度を活用して浸水対策をする方法

次に、浸水被害をなるべく小さくするために、一般住宅を対象とした助成制度を紹介します。住んでいる地域や家屋の状況などに配慮して、被害が大きくなる前の事前対策として必要な対応を行いましょう。なお、自治体により、助成の対象や要件、助成額などが異なりますので、詳細は各自治体へ問い合わせてください。
 

■雨水浸透施設設置助成

「雨水浸透施設」とは水が通る隙間を人工的に作り、住宅のお庭や駐車場の舗装によって地中へ浸透しにくくなってしまった雨水を、地中へ浸透させる設備です。これを設置することで、大雨時に雨水が下道管や河川へ一気に流入することを抑制できます。さらに、道路の冠水や河川の氾濫の抑制にも繋がります。
 

■防水板設置工事助成

住宅・店舗・事務所などの出入り口に防水板を設置し、家屋への浸水被害を軽減するものです。土のうも同じ目的で設置されるものですが、事前準備や設置に時間がかかります。しかし、防水板は、手軽に取り外し可能な構造になっているため、迅速に浸水被害への対応が可能になります。
 

■高床化工事助成

床上浸水などの被害が発生するおそれのある地域を対象に、家屋の浸水被害を防止と軽減を図るため、住宅を高床にする工事費用の一部を助成します。杉並区は、住宅などの高床化工事にかかわる高床部分の床面積に、標準工事費単価を乗じた額の2分の1(千円未満は切り捨て)とし、200万円を限度に助成を受けることができます。
 

Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー

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