生活保護受給者は「医療費」がタダなんですか? 医療扶助を受けられる範囲は?

配信日: 2023.09.27

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生活保護受給者は「医療費」がタダなんですか? 医療扶助を受けられる範囲は?
「生活保護を受けているけれど、病気やけがになったときの医療費が心配」と、不安を抱いている方もいらっしゃるでしょう。しかし、生活保護受給者のほとんどには医療扶助が適用されるため、医療費を負担する必要はありません。
 
今回は、生活保護における医療扶助についてまとめました。医療扶助について詳しく知らない人は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活保護法における医療扶助とは

医療扶助とは、生活保護法で定められた扶助の一つで、生活保護受給者に対して、医療にかかる費用を給付するものです。困窮のために、最低限度の生活を維持できない人に対して、以下の内容にかかる費用を扶助してくれます。
 

●診察
●薬剤、または治療材料
●医学的処置、手術、およびそのほかの治療・施術
●居宅における療養上の管理、およびその療養にともなう世話や看護
●病院または診療所への入院、およびその療養にともなう世話や看護
●移送

 
医療扶助は原則「現物給付」であるため、病院で、医療券または診療依頼書を提示することで、料金を支払うことなく医療行為を受けられます。
 
なお、厚生労働省の「医療扶助に関する基礎資料集」によると、2018年時点での医療扶助費は、全体で1兆7800億円であり、そのうち、65歳以上の被保険者の割合は66%を占めました。高齢化社会の影響により、高齢者が占める割合は増加傾向とのことです。
 

医療扶助を受ける方法

生活保護を受けているからといって、自動的に医療扶助が適用されるわけではありません。ただし、急迫した場合など、状況によっては、申請していなくても保護を受けられることもあります。
 
まずは、お住まいの市区町村を管轄する福祉事務所で、医療扶助を申請しましょう。生活や経済状況などを総合的に判断して、医療扶助が適用されるかが決まります。福祉事務所長が申請を認めたときは、「生活保護法医療券・調剤券」または「診療依頼書」が発行されます。
 
この医療券もしくは診察依頼書を提示することで、診察や医療処置などにかかった費用が扶助される仕組みです。
 

医療扶助を利用する際の注意点

医療扶助を利用する際には、注意すべき点がいくつかあります。診察や医療行為を受けるときには、以下の点に配慮しましょう。
 

●生活保護法の指定を受けた医療機関のみしか適用にならない
●受診する際は、医療券または診療依頼書の持参が必要となる
●保険適用外での診療内容は扶助対象外となる
●健康保険で療養費払いになっている装具(治療材料)、施術などは、新たに生活保護での申請が必要となる

 
医療扶助を受けるには、医療扶助について正しく理解することが大切です。
 

生活保護受給者は医療扶助の申請を忘れずに

生活保護受給者は、各市区町村の福祉事務所に申請することで、医療扶助を受けられます。保険適用内の診察や医療処置などであれば、医療費はかからないため、経済的負担を軽減できます。
 
医療券や診療依頼書をもらわなければ利用できないため、事前に申請を済ませておきましょう。
 

出典

厚生労働省 社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会(第13回) 参考資料1医療扶助に関する基礎資料集

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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