受給人数が減少傾向といわれている「生活保護」はいつできた制度?仕組みは今も昔も変わらない?
配信日: 2023.09.09
しかし、世帯数を見ると、前年同月と比べて0.3%増加しており、長引くコロナ禍や、急激に進む物価高の影響は、まだ続いているようです。本記事では、生活保護という制度の昔と今について、制度の改正内容とともに、詳しくご紹介します。

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生活保護の制度ができたのはいつ?
現行の生活保護法が成立した背景には、第二次世界大戦後に、失業や食料不足、住宅難などにより、日本国民が絶対的な貧困状態に陥ったことが挙げられます。
このときの状況を受けて、1946年に急きょ、旧生活保護法制定されましたが、多くの欠点があり、その後、1950年に全面改正された、現行の生活保護法が成立しました。翌1951年には、被保護者は204万7000人となり、総人口に占める保護率は2.42%になりました。
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昔の生活保護はどのようなものだったのか?
1946年に成立した旧・生活保護法は、生活困窮者を無差別平等に対象としたもので、国家責任の原則をとっていました。戦前にも「救護法」とよばれる法律がありましたが、制限的な扶助主義をとっていたことや、国家責任の明確な規定を欠いていたことなどが、現行とは大きく異なります。
旧生活保護法では、能力があるにもかかわらず勤労の意思がない者や、素行不良な者などは、保護の対象にならないという決まりがありました。
旧法による保護では「保護の内容が健康で文化的であること」「国民に保護請求権があること」などの根本的な改善が求められたため、国会に法案が提出されて、1950年に、現行の生活保護法が成立しました。
生活保護はこれまでにどう制度が改正されたのか?
生活保護法が現行のものになるまでに、1874年制定の「恤救(じゅっきゅう)規則」、1929年制定の「救護法」、1945年制定の「生活困窮者緊急生活援護要綱」、1946年制定の「旧生活保護法」などの改正を経てきました。
「恤救規則」は、明治政府が窮民救済を目的として布達した規則で、極貧者・老衰者・廃疾者・孤児などを対象としていました。「恤救規則」に比べて、救護対象者や救護の種類を大幅に拡大するとともに、公的な救済義務を明確にしたものが「救護法」です。
「生活困窮者緊急生活援護要綱」は、第二次世界大戦後に、生活困窮者が急増した際の臨時応急の措置として決定されました。
生活保護の昔と今を知ろう
生活保護は日本の貧困救済政策の要となる制度であり、現行の制度になるまでには、いくつもの変遷を経てきました。昔の生活保護は、今と違っている部分も多く、問題点を改善するために、繰り返し審議されて変化してきたといわれています。
生活保護制度を利用するにあたって、どのような仕組みの制度なのか、昔とは何が違うのかを、確認しておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省 生活保護の被保護者調査(令和5年3月分概数)の結果を公表します
日本放送協会 NHK福祉情報サイト ハートネット「【社会保障70年の歩み】第2回・生活保護「1年パンツ1枚」」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー