子どもが2人でも子育て費用は2倍にはならない?費用負担が大きいのは何?
配信日: 2023.09.05
しかし、内閣府の「平成17年版 少子化社会白書」によると、第2子の子育て費用は、第1子と比べて、7~8割ほどに抑えられるといいます。このことから、二人の子どもを育てるために必要な費用は、単純に2倍というわけではないといえるでしょう。
そこで今回は、養育費に焦点をあてて、一人っ子の場合の子育て費用をまとめました。さらに、二人目以降で、負担が軽減される費用についてもご紹介します。子どもの養育費に不安を抱いている人は、ぜひ参考にしてください。

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目次
第1子にかかる子育て費用はどれくらい?
少し古いデータになりますが、内閣府の「平成21年度 インターネットによる子育て費用に関する調査」では、第1子の子育て費用(一人当たり)が発表されています。就学区分別にみた、第1子の子育て費用は、以下のとおりです。
・未就学児:104万3535円
・小学生:115万3541円
・中学生:155万5567円
中学卒業までにかかる子育て費用の総額の平均は、375万2643円であることが分かりました。なお、教育費に関しては、通う学校によっても大きく異なるため、目安として参考にしてください。
子育て費用のなかでも負担が大きいのは「保育費」と「教育費」
子育て費用の項目ごとにみてみると、就学前の時期では「保育費」、中学生の時期では「教育費」の割合が大きいことが明らかとなりました。
保育所・幼稚園に通う子どもの保育費は全体の31.2%、中学生の教育費(学校外教育費を含む)は33.6%を占めています。実際にかかる保育・教育費をみてみましょう。
表1
保育所など | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 (全日制) |
|
---|---|---|---|---|---|
公立 | 2万1138円 (年間で 25万3656円) |
16万5126円 | 35万2566円 | 53万8799円 | 51万2971円 |
私立 | 30万8909円 | 166万6949円 | 143万6353円 | 105万4444円 |
※厚生労働省「平成27年 地域児童福祉事業等調査」、文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」をもとに筆者作成
子育て費用のなかでも、教育費の割合は大きいうえに、まとめて支払わなければならず、養育費よりも経済的負担がかかるといえるでしょう。
子どもが増えても子育て費用は倍にはならない
二人の子どもを育てる場合には、一人目の2倍の子育て費用がかかると、考えている人もいるでしょう。
同じ家で暮らすのであれば、食費などの養育費は、2倍にはなりません。なぜなら、洋服は上の子のお下がりが使えますし、おもちゃも一緒に使えるからです。そのため、工夫次第では、養育費の節約は可能といえるでしょう。
一方で教育費は、通う学校によっても異なりますが、子どもが増えれば、人数分の費用がかかります。しかし、自治体によっては、第2子以降の保育料を無償化しているところもあります。このような制度を活用することで、子育て費用を抑えられるでしょう。
子育て費用を抑えるコツは養育費を工夫すること
子育て費用は、二人になると2倍というわけではありません。教育費は人数分がかかりますが、養育費は、工夫次第で低く抑えられます。洋服を次の子のお下がりとして活用したり、長く遊べるおもちゃを購入したりするとよいでしょう。
なお、保育料に関しては、第2子以降を無償化している地域もあります。その分、出費を低く抑えられるため、経済的負担を減らせるでしょう。
出典
内閣府 「平成17年版 少子化社会白書」 第2節 家庭と社会全体の子育て費用
内閣府 「平成21年度 インターネットによる子育て費用に関する調査」 第3章 調査結果
厚生労働省 「平成27年 地域児童福祉事業等調査」 結果の概況(6ページ)
文部科学省 「令和3年度子供の学習費調査」 2 調査結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー