420円のタバコ、そのうち220円が税金だった!「4重課税」されているたばこ税の内訳と金額
配信日: 2023.09.02
今回は、タバコにかかる税金の種類と、一般的な紙巻きタバコにおける、おおまかな納税金額について、ご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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実は4重課税? タバコにかかる税金
一般的な紙巻きタバコの場合、おおまかに分けて、4種類の税金が課せられています。税金の種類と税率は、下記のとおりです。購入代金のうち、半分以上(61.7%)を、税金が占めている計算になります。
●国たばこ税:23.5%
●地方たばこ税:都道府県たばこ税3.7%、区市町村たばこ税22.6%
●たばこ特別税:2.8%
●消費税:9.1%
販売価格の半分以上が税金に占められている物品は、ほかにありません。
最も高い税率が課せられている酒類のビールでも、「二重課税で負担が大きい」と、話題に上ることも多いガソリンも、半分ほどです。
こうした四重課税により、たばこ税による税収は年間2兆円を上回り、国税収全体の1.5%程度を占めています。
実際の納税金額はいくら?
税率を聞いても、具体的にどれくらいの負担になっているのかが、イメージしにくいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、一般的な紙巻きタバコにおける、税金額を計算していきましょう。
例えば、420円、530円、580円、600円のタバコを、それぞれ3日に2箱(1ヶ月換算20箱程度)を吸ったとします。購入にかかる総額と、そのうちのたばこ税・消費税の金額は表1のとおりです。
表1
1ヶ月の購入総額 | うち税金総額 | |
---|---|---|
420円のタバコ | 8400円 | 5182.8円 (たばこ税合計4418.4円+消費税764.4円) |
530円のタバコ | 1万600円 | 6540.2円 (たばこ税合計5575.6円+消費税964.6円) |
580円のタバコ | 1万1600円 | 7157.2円 (たばこ税合計6101.6円+消費税1055.6円) |
600円のタバコ | 1万2000円 | 7404円 (たばこ税合計6312円+消費税1092円) |
※筆者作成
1ヶ月だけで、納税額が5000~7000円になることも、少なくないことが分かります。600円のタバコを3日に2箱のペースで吸い続けた場合、単純計算で、年間8万8848円も納税することになるでしょう。
なかには、1日1箱喫煙するような、愛煙家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。600円のタバコを、1日1箱吸い続けた場合、1年間の納税額はおよそ13万5123円になります。
喫煙者は納税額が高い!
タバコは、ビールやガソリンなどと比較しても、とくに税率が高く、費用負担の高い嗜好品(しこうひん)といえるでしょう。
販売金額に含まれる税金を総合すると、半分以上が納税額で構成されています。「費用負担が重い」「あらためて金額を見ると、今までのペースで吸うことがためらわれる」と思った方は、これを機に、禁煙・減煙を意識してみてもよいかもしれません。
出典
日本たばこ産業株式会社 JT「たばこ税の仕組み」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー