更新日: 2019.01.10 家具・片付け

片づけの美学(29) 貯まりやすく、捨てづらい文具の片づけで、暮らしを便利に

執筆者 : 奥野愉加子

片づけの美学(29) 貯まりやすく、捨てづらい文具の片づけで、暮らしを便利に
「片づけをする」というと、成果が見えやすい大きな作業を思い浮かべる方が多いでしょう。たしかに、リビングのような大きな空間がスッキリしたらとても達成感がありますね。
 
しかし、大きな変化のために大切なのは、引き出しひとつひとつの片づけだったり、ファイルの中の書類の整理だったりという、小さく地味な作業なのです。小さな片づけをいくつも成功させて、大きな変化になったという状態が理想的だと思います。
 
今回は小さくて貯まりやすくて、そして処分しづらい代表格、文房具の片づけに焦点を当ててお伝えいたします。
 

奥野愉加子

Text:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

文房具、ときどき整理していますか?

日本で手に入る文房具は、実はとてもクオリティが高いことをご存知でしょうか? 
 
例えば、ロンドンの専門的な画材屋さんに行くと、ここは日本の文房具屋さんだったかなと見間違うほど日本製のペンが大量に扱われています。
 
当たり前すぎて気にも留めませんが、ボールペンを最後までインク漏れすることなく使えたり、久しぶりに使っても問題なく使えたりしますよね。
 
日用品の品質が高いことは消費者として喜ばしいことですが、片づけにフォーカスすると違った面が際立ちます。それは、悪くならないのでまだ使える、だから使っていないけれど捨てられない、という片づけに関する悪循環です。
 
確かにインクは出る。だけど、ずっと使っていないペンはあなたの側にずっとあるべきモノなのでしょうか。買ったモノ・景品などの頂きモノとして文房具はどんどん増えていきます。
 
年に1度でも、2年に1度でもいいので、文房具の整理をしてみましょう。もしかすると半数近くがずっと使われていないモノかもしれませんよ。
 

文房具の片づけをしてみましょう

文房具のお片づけでお勧めの方法は、


1.まず家全体に散らばっている文房具を集めてみることです
 
2.文房具が本来の機能を満たしているかチェック。ペンのインクは出るか、のりは固まっていないか、など。本来の機能を保てないモノはこの機会に潔く処分しましょう。
 
3.使っているもの・使っていないものを分けましょう。目安はこの1年で使ったかどうかです。新品のモノはストックとして固めておきましょう。1年以上使っていない文房具をベストなタイミングで使えることはめったにありません。できれば処分をお勧めします。もったいない! という気持ちが強い場合は、ストックにしておいてもいいかもしれません。

 
私はこの方法で文房具を整理しています。1年に1度くらいですが、いつも2/3程度の量になります。個人的にメモ帳と付せんは捨てづらいので、この整理の機会に見つけたらどんどん使うようにしています。
 
捨てづらいなと感じるモノは人それぞれですので、無理をして処分することはありません。贅沢に使ってどんどん消費してください。これは日用品ならではの整理だと思います。
 

文房具を収納するコツ

文房具がたくさんあるのに使うモノが一部だけになってしまうという方は、置き場所がベストではない可能性があります。文房具はココだけ! と家の中で置き場所を1ヶ所に決めてしまうよりも、使いたくなる場所に散らしておくことをお勧めします。すぐ手に取れることで、生活がとても便利になりますよ。
 
例えば、リビングにはコアな文房具置き場を作り、ストック置き場も近くにしておきます。コアの場所は1ヶ所にしておきましょう。複数の置き場をつくると使い分けするようになり、結局使わないモノが出てくるからです。
あとは便利な場所に少しずつその文房具だけを散らしていきましょう。
 
キッチンの冷蔵庫にマグネットを付けた油性ペンを貼りつけておくと、食品の開封日などをメモするのに便利です。
 
洗面所にハサミと油性ペンがあると、気になった洋服のほころびをすぐに処理したり、子ども服の消えかけの名前を見つけたりした時もすぐに対応できます。
 
生活を振り返り、ここにあると便利そうだな。という場所にその文房具を置いておくと、例えペン1本がぽつんと置かれていたとしても忘れることはありません。
 
上の例以外にもあなたの暮らしにぴったりのちょうどいい場所を見つけてみてください。便利探しはやり始めるとウキウキしますし、もっと見つけたくなるはずですよ。
 
Text:奥野 愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表、 整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)