日本の平均年収は「443万円」! 実際の生活レベルはどのくらい?
配信日: 2023.06.25

そこで、本記事では平均年収の給与収入がある人の毎月の手取り額や生活レベルについて紹介していきます。

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年収443万円の手取りは月額約30万円
年収443万円というのは、あくまでも額面金額であって手取り額ではありません。実際に給与所得者の手元に入る給料は、額面金額から住民税や所得税、社会保険料などが差し引かれて支払われます。
差し引かれる金額は家族構成や社会保険の加入有無などの各種所得控除額によって異なるため、一概にいうことはできません。そのため、あくまでも目安にはなりますが、年収443万円の人の手取り給与は年間で約350万円です。これはボーナスなしで計算した場合、月額で約30万円になります。
食費や家賃などはどれくらい?
総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、単身世帯の平均的な消費支出は16万1753円で、そのうち住居費は2万3322円です。住居費がそれほど高くないのは持ち家の人が相当数含まれているからですが、住居費を除くと約13万円が毎月の平均支出となっていることがわかります。
つまり手取り額が30万円ある場合、貯蓄などを一切考えなければ17万円ほどを住居費に回せる余裕があるということです。
一方、同調査によると2人以上世帯の場合は、毎月の平均的な消費支出は29万865円で、そのうち住居費は1万8652円となっています。平均的な消費支出から住居費を引いた金額は27万円ほどとなり、約3万円しか余裕がありません。
同様に、食費の支出についても見てみると、単身世帯では4万3276円、2人以上世帯では8万1888円です。それぞれ、平均的な消費支出全体から差し引いた金額は、単身世帯で約12万円(16万1753円-4万3276円)、2人以上世帯で約21万円(29万865円-8万1888円)になります。
以上の結果から、手取り月額が30万円の場合、単身世帯では食費、住居費ともにゆとりを持った生活を送れますが、2人以上世帯では節約を心掛けないと生活が苦しくなる恐れがあることがわかります。
貯蓄は月にどれぐらいできる?
単身世帯の毎月の平均的な消費支出は16万1753円です。持ち家などで家賃が発生しないと考えると、手取り額が30万円ある場合、毎月約14万円ものお金を貯蓄に回せる計算です。一方で、2人以上世帯の場合は平均的な消費支出が29万865円なので、毎月約1万円しか貯蓄に回すことができません。
年間で計算すると、単身世帯は約168万円もの貯蓄ができますが、2人以上世帯の場合は約12万円しかためられず、かなりの差が生じることがわかります。以上のことから、手取り月額30万円の人は将来のことを考えると、独身のうちにできるだけ貯蓄を増やしておくほうがよいといえるでしょう。
平均年収を稼いでいる人は独身なら余裕をもった生活ができそう
今回は国税庁や総務省の資料から、平均年収を稼いでいる人の生活レベルについて紹介してきました。年収443万円でボーナスなしの人の手取り月額は約30万円で、2人以上世帯の場合は貯蓄を考えると節約が必要になりそうですが、単身世帯であれば余裕を持った生活を送れる可能性があります。
ただし、いくら単身世帯といっても生活水準を上げると家計が苦しくなる恐れがあるので、どれぐらいぜいたくするかは将来の人生設計も踏まえて慎重に考えてみてください。
出典
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー