「年収500万円」ですが、子どもを私立高校に「無償化」で通わせることは可能ですか? 授業料以外ではいくらかかるでしょうか?
配信日: 2023.06.24

本記事では、年収500万円の場合に私立高校に通わせることができるのか、解説します。

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私立高校の授業料
私立高校は公立高校よりも授業料が高いとされています。文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、公立高校の授業料は5万2120円、私立高校の授業料は28万8443円です。その差は23万6323円になります。
高等学校等就学支援金について
授業料だけで4倍以上の差があるので、私立高校に通わせたくても断念してしまう場合も考えられます。そこで利用したいのが「高等学校等就学支援金」です。
高等学校等就学支援金は、判定基準を満たすと返還の不要な授業料支援を受けられる制度です。2020年4月から私立高校生も支援を受けられるようになりました。「私立高校の実質無償化」とも呼ばれています。
この制度によって、私立高校生の場合は最大で39万6000円まで授業料を支援してもらえます。28万8443円よりも上限額が多いので、私立高校でも問題なく授業料を支払うことが可能です。
高等学校等就学支援金の要件
高等学校等就学支援金の利用するためには要件があります。「判定基準を満たすこと」、「日本国内に住所があること」の2つです。特に判定基準は両親の年収によって決まります。
上限額の39万6000円の支援を受けるためには、子が2人で両親のうち一方のみが働いている場合は約640万円、子が2人で共働きの場合は約660万円が年収の目安です。
このことから両親の年収が500万円の場合は高等学校等就学支援金の対象になります。高等学校等就学支援金の対象になれば、最大で39万6000円の授業料の支援をうけられるので、私立高校の授業料の心配はなくなります。
私立高校は授業料以外でいくらかかる?
高校の教育費は授業料だけではありません。「入学金」や「修学旅行費等」、「学校納付品等」、「図書・学用品・実習材料費等」などで費用がかかります。私立高校の場合は、文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると46万1919円です。
授業料は高等学校等就学支援金によってカバーできますが、それ以外の費用は必要な教育費として準備しておかなければいけません。高等学校によって授業料以外でかかる教育費は異なるので、確認しておきましょう。
教育費を把握し、事前に準備することも考えておきましょう
親の年収が500万円の場合は高等学校等就学支援金の対象になる可能性が高く、授業料は実質的に無償になります。そのため、私立高校に子どもを通わせることもできそうです。
しかし、高校の教育費は授業料以外でもかかるものがあるので注意する必要があります。授業料以外の教育費についても公立高校と比べて私立高校のほうが高いです。
子どもを私立高校に通わせたい場合は、授業料だけでなく授業料以外でかかる教育費についても確認するようにしましょう。教育費が合計でいくらかかるのかを把握し、準備しておくことをおすすめします。
出典
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要
文部科学省 高校生の学びを支援します 高等学校等就学支援金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー