お金に困っているとSNSで呟いたら「3万なら貸せる」という連絡が! 注意点は?
配信日: 2023.06.21

SNSに暗躍するヤミ金融にだまされないためにも、その新たな手口や注意点を理解しておきましょう。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
ヤミ金融とは何か
個人であっても、反復継続的にお金を貸す行為は、貸金業法上の「貸金業」に該当します。貸金業を営むためには、国や都道府県から貸金業登録を受けなければいけません。
ヤミ金融とは、この登録を受けずに貸金業を営んでいる者を指して使われる言葉です。ヤミ金融は法律違反のため、当然のことながら罰則の対象となります。
SNSにおけるヤミ金融の手口
SNSでの融資の誘いは、ヤミ金融による新たな手口の可能性があります。特に、「個人間融資」と「給与ファクタリング」という手法で誘ってくる場合には注意が必要です。
・個人間融資
SNSなどを通じて、面識のない他人とお金の貸し借りを行うことを、「個人間融資」といいます。
個人間であっても、国や都道府県に無登録の者がSNSで反復継続的に融資を持ち掛ける行為は、貸金業法の第11条第2項の「貸金業を営む目的をもって、貸付けの契約の締結について勧誘をすること」に該当する可能性があります。
・給与ファクタリング
支給前の給与を「賃金債権」にして融資を行い、給与支払日に貸付資金を回収する手法を「給与ファクタリング」といいます。給与ファクタリングは、国や都道府県に登録済みの貸金業者が行う場合には合法的な手法ですが、ヤミ金融がSNS上で勧誘するのは貸金業法違反に該当します。
SNSにおけるヤミ金融の注意点
「個人間融資」と「給与ファクタリング」という手法でヤミ金融からお金を借りると、次のようなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
・法外な利息
元本の金額が10万円未満の場合、出資法に定められた利息の上限は年率20%です。ところが、「個人間融資」では10日で30%、「給与ファクタリング」では年率数百%超という、ヤミ金融による法外な利息の要求事例が報告されています。
・強引な取り立て
大声でどう喝したり、勤務先や家族に対して電話を掛け続けたりするといった、強引な取り立てが行われるのもヤミ金融の特徴です。
・保証金詐取
保証金などとして前払いした、貸付金の一部をだまし取られる可能性があります。
・遅延損害金の請求
返済が遅れたとして、高額な「遅延損害金」を請求されたという被害事例が報告されています。
・個人情報の拡散
返済が不可能になった場合、ペナルティーとして個人情報がインターネット上に拡散されるかもしれません。
・性的関係の要求
利息免除などの条件として、性的関係を迫るヤミ金融も少なくないようです。
リスクの高いヤミ金融は避けて他の方法を検討しよう
SNSで融資を持ち掛けてくる人は、ヤミ金融の可能性があります。「個人間融資」や「給与ファクタリング」という手法を持ち掛けて法外な利息を要求するのが、SNSに暗躍するヤミ金融の主な手口です。
そのため、生活資金に困っている場合はヤミ金融ではなく、親や友人、クレジットカードのキャッシングやカードローンで借りたり、副業や短期バイトでしのいだりするほうが賢明かもしれません。また、公的融資制度の窓口である社会福祉協議会に相談するという方法もあります。
出典
金融庁 SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!
金融庁 給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!
e-GOV 貸金業法
e-GOV 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
政府広報オンライン 新たな手口のヤミ金融に注意!「#個人間融資」「給与ファクタリング」
日本貸金業協会 お借入れの上限金利は、年15%~20%です
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー