更新日: 2019.07.17 その他

切符を無くしてしまったけど、嘘をついて乗車区間を変更 これって犯罪?

切符を無くしてしまったけど、嘘をついて乗車区間を変更 これって犯罪?
駅の改札を出る時に、きっぷが見つからなくて困ったという経験のある方は多いのではないでしょうか。
 
そのような場合、窓口で駅員さんに「きっぷを失くした」と説明するかと思います。この時に駅員さんからは「どこから乗車したか」ということを聞かれますが、実際よりも安い区間の駅を伝えたらどうなるのでしょうか。なんらかの罪に問われるのでしょうか?
 
電車に乗る際、悪事を働いてしまったR子さんの例をみてみましょう
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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石垣美帆

監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

お金のないR子さん。「きっぷを失くしました」と言って半額で目的地へ…!

R子さんは30代の会社員。給料日前はいつもお金がなくてかつかつです。
 
R子さんはある日、遠方に住んでいる友人の家に遊びに行くことになりました。R子さんの最寄駅からは電車で一本ですが、通過する駅は30以上。片道500円以上かかります。往復で1000円以上と考えると、少し憂鬱な気持ちになりました。
 
R子さんが発券機の前に行くと、悪いことを思いつきました。まず、130円で初乗りきっぷ(最低料金で行ける乗車区間のきっぷ)を買い、改札を通ります。電車に揺られること1時間弱。友人の住む駅に着きました。
R子さんは改札に向かい、窓口の駅員に声をかけました。
 
「すみません、きっぷを失くしてしまいました。」
 
駅員さんは尋ねます。「どこから乗車されましたか?」
 
R子さんは、降車駅の1つ前の駅を言いました。駅員さんが一駅分の運賃を支払うように言い、R子さんはその通りにしました。
 
改札を抜けたR子さんは、嘘がばれなかったことにほっとしました。R子さんは本来の運賃よりもだいぶ安く、目的地に着くことができたのです。
 
いけないとは分かりつつも、R子さんは「今日だけ。帰りも同じようにしよう」と考えました。

*物語はフィクションです
 

改札を出る時に「きっぷを失くした」と言い、実際よりも安い区間を申告した場合、罪にあたるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。

今回のケースのように窓口で駅員に「きっぷを失くした」と言って実際よりも安い区間を伝えた場合は、「詐欺罪」にあたります。
 
発覚した場合は、旅客営業規則264条により、正当な運賃に加え、その2倍に相当する額の増運賃とを合わせて支払うことになります。
 

駅員をだませば「詐欺罪」になる可能性が高い

今回のR子さんのケースのように、窓口で駅員をだますつもりで初乗りきっぷを買い、「きっぷを失くした」と嘘をついた場合は「詐欺罪」にあたる可能性が高いということが分かりました。
 
ばれないと思っても、このようなことをしてはいけません。
 
もし、うっかりきっぷを失くした時は、正直に乗車駅を伝えるようにしましょう。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。

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