「高校無償化は授業料だけ」と分かっていたけれど……入学1年目でかかる意外な「出費」とは?
配信日: 2023.06.01

入学1年目に戸惑わないようにするためには、事前に実態を把握しておくことが大事です。そこで本記事では、高校への進学後に発生する出費について詳しく紹介します。

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楽観視は禁物! まず実情をチェック
授業料が無償でも、高校に進学するとさまざまな出費が生じます。具体的な出費の種類を知る前に、授業料が教育費の一部でしかないことを理解しておきましょう。
この制度は、子育て世代の家計にとって優しいものです。しかし、恩恵の大きさを過信して、入学後の資金繰りを楽観視するのはよくありません。
文部科学省は定期的に「子供の学習費調査」を実施しており、令和3年度のデータが令和4年に発表されました。報道向けの資料によると、教育費に占める授業料の割合は、私立高校が38.4%で公立高校が16.9%となっています。
つまり教育費のうち、私立高校では61.6%、公立高校では83.1%が自己負担というわけです。高校無償化の施行後も、多くの出費が発生しているという実情が分かります。
早い段階で発生する出費
進学と同時など、早い段階で支払う費用には多くの種類があります。代表的なものを以下に紹介するので把握しておきましょう。
納付金
入学の条件として、文字どおり入学金を支払わなければなりません。高校の施設や設備に使われる運営費なども徴収の対象です。また、生徒会やPTAに関する費用を請求されるケースもよく見受けられます。いずれも子どもが高校に在籍するために必要な出費であり、入学手続きの際にまとめて納付することも多いです。
教材費
小学校や中学校では、授業用の教材は無償で支給されます。しかし、高校は義務教育ではないため、基本的に各自で買わなければなりません。タブレットや電子辞書といった高価な教材を学校側が指定している場合も同様です。
入学1年目の授業で使用する分だけでなく、卒業まで使い続ける教材なども、一括で購入する可能性があります。
継続的に発生する費用
以下に紹介する項目のように、入学後に継続して発生する出費も少なくありません。
交通費
高校が徒歩や自転車で通えない場合、交通機関の定期乗車券が必要です。学割の対象になりますが、遠距離の場合は更新のたびに大きな支出が生じるでしょう。課外授業や部活動の対外試合など、通学以外の移動に関しても交通費は自分で支払います。
授業関連の自己負担
授業を受けていく過程で、文房具や実習用の材料といった消耗品が不足した場合、自分で買い足さなければなりません。予備校の講師を招いて行う特別補講のように、通常の授業以外のカリキュラムを用意している進学校などもあります。無償化の対象外なので、申し込んで参加するたびに受講費を請求されるのが一般的です。
進路を検討する際には費用面も確認!
実際に進学するまで、高校に関する支出は分かりにくい点が多いです。授業料が無償になってもそれ以外の費用が不明だと、入学後の資金計画について間違えるリスクがあります。義務教育では不要だった教材費や、通常授業とは異なる特別補講の受講費など、意外な出費がたくさん発生するのです。
後から実情を知って慌てないように、進路の検討段階で費用面に関しても確認しておきましょう。
出典
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します
文部科学省 令和3年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について
文部科学省 私立高等学校(全日制)初年度生徒納付金平均額の推移
文部科学省 教科書無償給与制度
文部科学省 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー