競馬で得た利益は課税対象?高額配当に潜むワナ!
配信日: 2023.04.17
競馬が好きな方にとって、予想が当たった瞬間の喜びはたまらないものではないでしょうか。ですが、すぐに「儲けた!」と考えるのは危険かもしれません。
競馬から利益を得た場合は、税金を払う義務が発生します。本記事では「実際にかかる税金はどのくらいなのか」について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
目次
競馬で得た利益は課税対象になるの?
競馬は100円から賭けることができる、気軽に楽しめるギャンブルの一つです。利益を得るためにデータを分析したり、1点賭けをしたりと、さまざまな楽しみ方があります。
忘れていけないのは、競馬で得た利益は課税対象であることです。
競馬で得た利益は、いくらまで非課税?
競馬で得た利益が、給与所得者の場合は、雑所得として課税所得(利益から控除50万円を引いた額)が20万円以下であれば、確定申告を行う必要はありません。
一方、給与所得者以外の場合は、一時所得として50万円超の利益を出すと課税対象になります。このことから、競馬の利益が50万円以下であれば非課税です。
そのため、会社から貰っている給料のほかに収入がないのであれば、利益が70万円以上になって初めて確定申告が必要となります。
一方、正社員以外の場合、50万円以上の利益を出すと課税対象になります。このことから、競馬の利益が50万円以下であれば非課税です。
競馬の利益にかかる2種類の区分とは?
競馬で得た利益から生じる所得税には、2種類の区分があります。区分で大きく変わるのは「ハズレ馬券が経費になるか」の部分です。
区分1.一時所得
一時所得とは、労務や役務の対価や資産の譲渡による対価ではない「一時の所得」のことです。
競馬の利益について、国税庁では「原則として」と表記されており、ほとんどの場合が一時所得に該当します。「たまたま一度だけ得ることができた収入」と表現すると分かりやすいかもしれません。
最高50万円の特別控除を受けることができますが、ハズレ馬券は経費として認められていません。また、利益が50万円以下であれば、非課税です。
区分2.雑所得
雑所得とは、どの所得区分にも当てはまらない所得のことです。年金や副業の収入などが雑所得に該当します。
競馬の利益を雑所得として申告できることはほぼありません。平成29年には雑所得として認められたケースも存在するものの、ソフトウエアを使い、条件設定や計算式に基づく数億単位の売買を繰り返すなど、特殊なケースでした。
この判例のように、雑所得として認定された場合はハズレ馬券を経費にすることができます。また、利益が20万円以下の場合であれば非課税です。
競馬で得た高額配当に潜むワナとは?
実際に高額配当を得た場合、どのくらいの金額を納めなければいけないのでしょうか。所得税は以下の計算式で割り出されます。
(年間払戻金 - アタリ馬券購入費用 - 50万円〔特別控除額〕)÷ 2 = 課税所得
課税所得 × 税率 - 金額に応じた控除額 = 税金
過去の高額配当では、帯広競馬場で2217万2920円の配当が出たことがあります。この高額配当が当たった場合の税金額を計算してみましょう。
本来、所得税は他の所得と合算して計算されますが、今回はわかりやすく高額配当からの利益のみで計算します。
2217万2920円 - 100円 - 50万円〔特別控除額〕)÷ 2 = 1083万6410円
1083万6410円 × 40% - 279万6000円=153万8564円
2217万22920円の高額配当が当たった場合、153万8564円が納めなければいけない税金額でした。
1回きりであれば、税金を払っても夢のある話にみえます。しかし、単勝の場合でも、回収率100%を下回ることが多く、さらには、ハズレ馬券の費用は経費にできません。
これを受け、インスタントジョンソンのじゃいさんは自身のYouTubeチャンネル「じゃいちゅ〜ぶ」#144で、
「マンションが買えるくらいの追徴課税があり、破産しました」「1億円使って1億5000万円勝ったとすると、1億5000万円に対して税金がかかるので、5000万円しか勝っていないのに、丸々持って行かれてしまう」とコメント。
さらに、馬券を購入する際にはすでに10%の国庫納付金を払っているため、競馬にかかる税金について、ファンの中で賛否両論を巻き起こしています。
競馬以外のギャンブルにも税金はかかる?
競馬以外の公営競技や宝くじ・パチンコなどは課税対象なのか、以下の表にまとめました。
図表1
課税対象 | 確定申告 | |
---|---|---|
競輪 | ○ | 年間所得50万円~ |
オートレース | ○ | 年間所得50万円~ |
ボートレース | ○ | 年間所得50万円~ |
パチンコ・スロット | ○ | 年間所得50万円~ |
宝くじ | × | × |
スポーツくじ | × | × |
※筆者作成
宝くじとスポーツくじは非課税です。
税金もオッズも賢く計算して、楽しい競馬ライフをすごそう!
競馬で得た利益には税金がかかることが分かりました。「申告せずともバレないだろう」と高をくくっていると、痛い目を見るかもしれません。
払戻金を使ってしまってから「税金が払えない!」といった事態にならないよう、オッズのように綿密な計算をして、賢く楽しい競馬ライフをすごしましょう。
※2023/4/18 内容を一部変更しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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