「ステータス性」だけなら高級腕時計はコスパが悪い? オーナーが後悔した勘違いとは?

配信日: 2023.04.01

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「ステータス性」だけなら高級腕時計はコスパが悪い? オーナーが後悔した勘違いとは?
嗜好品の購入理由は人それぞれだ。賛否両論あるが、その一端には「見栄」や「ステータス性」があるのも事実だろう。特に高級腕時計は、歴史をたどれば欧州の貴族のために作られていたこともあり、ステータスシンボルとして、今も昔も一定の立ち位置を担っている。
 
ただしニッチな業界であるため、「ステータスを見せつけたい」という理由だけで高額な時計を購入するのは、非常にコスパが悪いという。
 
31歳で、初めて200万円近い時計を購入したAさんが実体験を語ってくれた。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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一般人相手に時計で見栄を張るのは難易度が高すぎる

Aさんはフリーで営業代行やPMOを手掛けており、2022年の年収は、およそ1000万円を超えた。そこで同年、時計の購入を検討し始めた。仕事で時計の着用シーンが増えたのに加えて、「成功者の証し」を1つ持っておきたかったのも、正直な理由の1つだったという。
 
「今どき時計は絶対に必要とされない『嗜好品』なので、そこにこだわる人ってカッコいいと思いました。あとはやっぱり、自分の中では『ステータスシンボル』の象徴的なイメージでした。私のお客さまは経営者層が多いのですが、やはりよい時計を付けている人は少なくありませんでしたし」
 
スーツに合う時計を中心に、最初は予算100万円で探し始めた。ただ、さまざまなブランドサイトやYouTubeなどで情報収集するうちに、「雲上時計」という高級腕時計の中の「格付けトップの総称」に出会ったことがきっかけで、「予算がおかしくなった」と話す。
 
「パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンの3大雲上時計。さらにそれに、ランゲ&ゾーネ、ブレゲを加えた5大雲上時計という格付けを見た瞬間、ステータス性を高めるなら『雲上しかしない』と、自然に価値観が狂ってしまいましたね」
 
結局、およそ180万円もする3大雲上ブランドの1つであるエントリークラスの時計を購入した。だが、この時にもっと「一般人の知名度」を考えるべきだったと、Aさんは後悔する。
 
「すごくいやらしい話ですが、見栄やステータス性だけを考えるなら『雲上ブランド』はすごくコスパは悪いですね(笑)。私がそうだったように、一般の人って雲上ブランドって存在自体知らないんですよ。ある意味、時計愛好家や業界での常識というだけで、そもそも一般の人との『壁』がものすごく分厚い。『きれいな時計だね』って言われることはあっても、金額的な価値をイメージしてくれることはほぼありません。だからといって、本物の時計好きはもっと高い時計を購入しているので、彼らにステータスなんて示せないですから(笑)」
 

見栄を張るなら「誰でも知ってるブランド」がベター

世間一般的にはマニアックな時計を購入してしまったAさんは、今はSNSでリストショットを投稿するなどして、小さくアピールを続けている。時計を探しているときは、同じようにSNSで発信しているほかの時計オーナーのステータスが高く見えてうらやましい限りだったが、購入後はその熱もいくらか収まっているという。
 
「ただ承認欲求やステータス性を求めるのであれば、正規店であればほぼ同じ予算で買えるロレックスのデイトナとか、オメガといった知名度の高い時計を狙うべきだったかもしれませんね。それか、分かりやすい外車にチャレンジするか、衣服のブランドとか。よく考えると当たり前ですが、数万~数十万くらいで『すごいね』と言ってもらえるモノは、たくさんありますよね」
 
Aさんは嗜好品にステータス性を求めるなら、とことん突き詰めるべきだったとも反省する。
 
「高い買い物ですから、最初からしっかりと目的を設定しておくべきでした。100万円以内でステータス性を最大限見せられるモノであれば、もっと違った結果だったかもと思います。もちろん、今の時計に不満はありませんし、自分的には、デザインもムーブメントもブランドの歴史もすごく好きです。ただ、私の『欲』はあまり満たされていないのは、私自身が、ブランドが示している『ステータス性』に冷静さを失ってしまったからなのかもしれません」
 

まとめ

見栄やステータスを高めるために嗜好品を購入するのに、好意的な印象を持つ人はあまり多くはないだろう。とはいえ、Aさんほどではなくても、ブランド品や「高級〇〇」を購入する際、それらを全く考えない人も逆に少数派ではないだろうか。
 
高い買い物をする際は、自分の中の少し「いやらしい」ポイントに対しても向き合うことで、本当に買うべきモノが見つかるのかもしれない。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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