更新日: 2023.03.31 その他
入院で医療費が「数十万円」になりそう! 支払いが軽くなる制度は?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
まずは「限度額適用認定証」を発行してもらおう
国民健康保険に加入している場合は市区町村の役所・役場の「国民健康保険課(係)」で、「協会けんぽ」など社会保険に加入している場合は保険組合で「限度額適用認定証」を発行してもらい、病院窓口に提示するのが、金銭的負担が軽くなる1番早い方法です。
限度額適用認定証は、昨年度の収入を基に「窓口での医療費負担は、ここまでの金額で良いですよ」というボーダーラインが記載された証明書です。
限度額適用認定証で減額されるのは、健康保険の適用範囲内の治療費(入院・外来治療)で、入院中の食事代・着替え代などは自己負担です。
住民税非課税世帯は、「限度額適用・標準負担額減額認定証」が交付され、入院中の食事療養費自己負担額も減額されます。
自治体役所によっては、国民健康保険証と認め印などの必要物品を準備して申請すれば即日発行できるところがあります。
「病気治療中である自分の代わりに、役所に申請に行けない」人たちのために、マイナンバーカードなどの公的証明書とスマートフォンで電子申請手続きを受け付けて、1週間程度で郵送する行政サービスを開始したところもあります。
「限度額適用認定証」を利用した場合の費用負担金額は?
70歳未満と、70歳から75歳まででは、負担額が異なります。
図表1 70歳未満での医療費限度額
松本市 【国保】医療費が高額になったとき(高額療養費および自己負担限度額)
図表2 70歳以上75歳未満の医療費限度額
松本市 【国保】医療費が高額になったとき(高額療養費および自己負担限度額)
利用には、注意点はあるの?
利用時の注意点は、主に以下のようなものがあります。
・月をまたいでの医療費合算ができないため、限度額が変化することもあります。(毎月1日から末日までの医療費ごとに計算されているため)
・自営業などで前年の所得を確定申告していない場合には、医療費限度額を決められないため、限度額適用認定証が発行できずに高額療養費制度を利用することになることもありますので、それぞれの自治体の国民健康保険課・係に問い合わせてください。
自治体などによって医療費負担金額が変わるの?
自治体によって国民健康保険料が異なるように、自治体や健康保険組合独自の医療費補助制度を行う場合もあります。
例えば、「高額療養費付加金」を独自に追加しているところや、一定以上の障害を持つ人(障害1~2級者)の治療費の補助や、厚生労働大臣が指定する特定疾病の治療を長期間続けている人などの医療費を補助する制度もあります。
まとめ
高額になった医療費を補助する制度には「高額療養費制度」がありますが、いったん医療費を支払ってから還付を受けるまでに数ヶ月かかるので、病院窓口で減額計算された医療費をしはらう「限度額適用認定証」は使いやすい制度です。
国や社会保険の「限度額適用認定証」制度の他に、独自の福祉制度を実施している自治体がありますが「自分が申請に行かないと受理されない」「役所に相談に行って、初めて補助制度を知った」など、市民生活になかなか浸透していないのが難点です。
引っ越しなどの際に、自分が住む地域の福祉制度を軽く調べておくのも良いでしょう。
出典
厚生労働省 高額な外来診療を受けるみなさまへ
協会けんぽ 医療費が高額になりそうなとき
松本市ホームページ 【国保】医療費が高額になったとき(高額療養費および自己負担限度額)
松本市ホームページ 【国保】限度額適用認定証等の新規(更新)・再交付のオンライン申請について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部